前回パソコンの話が出たので、データのバックアップについて。
皆さんはバックアップをちゃんと取っていますか? 何年にも渡って蓄積された写真や動画等のデータは財産であると思う。不意に消してしまったり、故障したり、ウイルスによるダメージなどで吹っ飛んでしまったら大変だ。データは常にバックアップを取っておきたい。
最近はNASやクラウドストレージに保存するのがトレンドのようだが、1人暮らしでPC1台の筆者にとってNASなんて大袈裟なものはいらないし、クラウドは料金も決して安くないし、それにセキュリティ面でもサーバ管理者から見られる可能性があるため精神衛生上よろしくない。それにうちの場合回線が遅いので、数100GB~1TB級となると事実上使えないサービスと言えよう。
そこで筆者は、内蔵HDDと同じ容量のHDDを用意し、外付けHDDケースに入れ、USBで接続してバックアップに用いている。パーティションは区切っておらず、全容量を1区画で使っている。特別なバックアップツールは必要ない。Windowsに標準で付いているxcopyコマンドで十分だ。
xcopyはコマンドラインプログラムなので、コマンドプロンプトを開く。Win-Rを押して、「cmd」と入力しEnterを押す。
コマンドプロンプトが開いたら、次のように入力する。
xcopy x:\ y:\ /s /e /h /c /d /y <enter>
ここで x: は普段利用のデータが入っているHDDのドライブ名、y: はバックアップ先の外付けHDDのドライブ名となる。次の \ はルートディレクトリを表す。つまりドライブ全体が対象という意味だ。その後ろの / に続いたスイッチの意味は以下の通りだ。
/s 空の場合を除いて、ディレクトリとサブディレクトリをコピーする
/e 空の場合も含めて、ディレクトリとサブディレクトリをコピーする
現在は /e と指定すると /s /e の両方を指定したことと同じ意味になるが、大昔、MS-DOS時代は上記2つは必ずペアで指定する必要があった
/h 隠しファイルやシステムファイルもコピーする
/c エラーが発生してもコピーを続ける
エラーが出たからとそこで中断してしまっては困る。この際エラーの出たファイルは無視して次のファイルへ進めということを指示する
/d コピー先に同じファイルが存在した場合、元のファイルが新しい場合のみコピーする
見逃しがちだが重要なスイッチ。馬鹿正直に全ファイルをコピーするのではなく、内容に変化のあったファイルのみをバックアップすればよい
/y 上書きの際に確認を求めない
毎回「上書きしますか?」というメッセージが出力されて中断するのを防ぐため
これでバックアップが開始される。コピーされたファイルの一覧が次々と画面に表示されてゆき、しばらくの後、プロンプトが出ればバックアップ完了だ。
バックアップが済んだら、外付けHDDの電源は落としておく。こうすれば不意に消してしまったり、ウイルス等の悪意のあるプログラムに破壊されたりとかも起こらないので安心だ。まぁ、建物自体が火事になったり、大地震で破壊されてしまったりしたらそれまでではあるが。
なお起動用SSDに関してはUSB回復ドライブを作成してあるが、不安定になったOSを修復して使うよりインストールし直した方が確実かも知れない。
PC自体は壊れても修理したり買い替えたりすればいい。だがデータは失われたら戻ってこないのだ。知人にも「バックアップ? 面倒だから取ってないよ」という人がいるが、そういう人は今一度バックアップの重要性を考えてみてはいかがだろうか。