婚約中であった彼と別れることになった。
別れた最大の理由はDV(ドメスティックバイオレンス)。
・浮気
・暴力
・借金
・ギャンブル
・モラハラ
・マタハラ
今思えば…
私がいれば何とかさせてあげれる
私が支えてあげられたら…
2人で頑張れば何とか乗り越えられる
全てが独りよがりで、私だけが、家族と結婚とその後の展望を持っていたのだと思います。
4年近く交際してきて、
おかしくない?って思うサインは沢山ありました。
ちょっとした何気ない会話から人となりをわかっていく。
ちょっと言葉のチョイスを間違えただけなんだよね?
とか
ダメな事だってわかったんだよね?
とか
謝ってるしいいか…
とか
私が我慢すれば上手く行く、私が好きで仕方ないこの子供のような彼を何とかしてあげたい、私にはこの人が必要、
それを乗り越えてこそ愛ってのが見えてくるんだろう…
家族ってすり減っていくものもあれば幸せな面や守りたい形があってバランスをとろうとするものなんだろな。
そんな風に信じてやまない自分がいました。
この人と家族になりたい。
この人の子供が欲しい。
この人を一生かけて大切にしていきたい。
そう思ってました。
伝わってなかったかもしれませんが…
時間が経った今でも、彼が大好きです。
会いたい、声が聞きたい、抱きしめて欲しい。。
だけど絶対に戻ってはいけない、会ってはいけないという
理性が子供の事を思うと私には働きます。
子供は一人で育てていける自身はありませんでした。
産む事がゴールではないからです。
自分の収入、子供にパパがいない、
養育費はもらえない(借金があるぐらいなので支払わなくなるのではないか)、私の実家は田舎で働き口もそうそうない、
親も高齢であり頼りすぎることもできない…
自分の手で子供は育ててあげたい……
果たして何が幸せなのか…?
自分が命を絶たさない事が正義なのか。
子供の幸せって何なのか。
親兄弟お婆ちゃん、全員から、
(私を想って)結婚、間に合うなら赤ちゃん、諦めなさい。
と、言われました。
私はどうしたいのか…
会いたい、好き、会いたい、彼に会いたい!
でも…怖い。。。会うのが怖い。
外に出るのも動機がする。
誰かが付き添ってくれると外に出れる。
彼のご両親から、必ず土下座させてでも
貴方を迎えに行きます。だから間違った事はしないで。
と言われて信じて待ってました。
5日で音信不通になりました。
彼は暴力から2日で荷物を引き払いカギをポストに
入れました。その後連絡はありません。
親とも話し合っているはずですが、何も連絡はありません。
軽度の暴力〜グーで顔を殴られ、首を絞められるまで、
何発殴られたか詳しくはわかりません。
時間が経過する。
法律で中絶できる期間はあとわずか。
ほぼ、一週間で方向性を決めなければいけない。
親兄弟とも随分強く言われ、私もそんなに家族と揉めた事も人生でないのに、強い口調での言い合いもありました。
命を断つ…
こんなに可愛く育ってるこが?
やっとつわりも終わったのに?
胎動を初めて感じたのは暴力があったあの日。
生きようとしてるこの子を?
愛らしいしか感じれないこの子を?
日々お腹が大きくなってきた成長したいって思ってるこの子を?
諦めるって……何?
正解って……何?
殺人者になれ……って事?
けど…子供の愛おしさ、旦那さんがいない苦しさ、
そんなの全部通ってきた親族でも、そう言うの?
何度も何度も彼が自分をコントロールできてない、
あの顔が
あの言葉が
私に襲ってきます。
この子に被害がいってしまう…その時私は全力で守る。
全力でこの子を担いで逃げる。
そのイメージしかできない。。どうすればいいの。。
なんで彼は暴力を止められないの?
彼は私を…子供を…愛してないの…?
私の事が憎いの?
なんで前向きになろうとこの1ヶ月してくれなかったの?
私が貴方の人生を壊すような事でもしたっていうの…?
だから何で赤ちゃんを諦めなきゃいけないの!?
愛しい人の愛しい赤ちゃんを。なんで。なんで。。。
答えのない事をずっと考えてました。
ほぼ5日間寝る事はあまりなく考えるしかありませんでした。あっという間の一週間でした。
妊婦検診が元々入っていて、行くか行かないかすら決めれない、そこから足を運ぶ私がいる。
現実はちゃんとみなきゃ。私、頑張れ。
私、先生に言える…?
私赤ちゃん諦めるって言わなきゃなの?言うの?
姉に病院の前まで付き添って来てもらい、
「ここからは一人で行くよ。」という。
看護師さん「ベッドに横になってエコーの準備しましょうね。」
「その前に大切なお話があります…」泣くしかできない。
副委員長「…相当大切なお話だね、委員長呼ぼうか?」
「…一旦副委員長さん聞いてもらえますか。」
副委員長「勿論だよ、どうしたの?」
「赤ちゃん……諦め…ま…」声にならない。
副委員長「そうか…何かあったんだね…話せる?」
していたマスクをとる。(アザがあったのでマスクしてました)
「パートナーから暴力を受けました。」
副委員長「…わかった…それでモカタンさんは諦めなきゃいけないって考えているんだね。
とても大切でとても辛い決断をしなきゃいけないから、委員長にも聞いてもらおうね。」
「すみません…」泣きじゃくるも、他の患者さんにわからないように、声を殺して泣く。
看護師さんに肩を撫でられる。ティッシュをテーブルに置かれる。
この病院は検診のみのクリニックで出産や手術のできない産婦人科でした。
常に色々な患者さんが多く来られ待ちも沢山な病院だったこともあり、検診はサラッと行う感じで、
よし今日も順調だからサラッと終わるんだ。
けどカラダの不調の事とか話すタイミングがなかなかないな…とか思ってました。
お腹のエコーになってからは顔を見合わす分、気になってた事がようやく聞けた!
混雑してるから順調ですって言われてるし早めに終わらせたらいいんだって変に気遣ってしまってました。
なので委員長先生と面と向かってお話するのは3回目ぐらいでした。
「…副委員長からお話は少し伺いました。顔のキズは痛む?
大丈夫?辛かったわね…」
「ありがとうございます。」
「殴られたのね…何回目?」
「殴られたのは2回目です。
赤ちゃんもいるし、守りたく無抵抗でした。
やめてと何度も言いましたが、殴る、首を絞める…
もう怖くて必死で自分と子供を守る為に逃げる事を選択しました。」
「よく頑張ったわね、よく逃げれた。良かったわ。
何があったにせよ、暴力は決して許されないです。
…でも何で赤ちゃんを諦めようと思ったの?」
「私の経済力では満足に子育てできる程の余裕もありません、彼には借金もあり養育費を求めても払うかどうかすらわかりません。その状況で、女で一人で育ててという自身がありません……」
「なる程……わかりました……」
委員長先生の真っ直ぐな眼差しと力強い言葉が私に突き刺さる。
「産科医としては命を諦めるという選択をしなければいけなくなってしまったことはとても残念です。
だけど…貴方が選択したその答えは決して間違いではありません!
世の中は女性一人で育てていっている人もいます…、
だけど社会は思っている以上に苦しく厳しいです。
いくら制度があっても女性一人で育てるのはかなり困難な社会です、子育てを親族の協力なしでは特に厳しいです。
ましてや、DVする男性は絶対に治りません。その先の未来、何かあってからじゃ取り返しがつきません。
…
だからモカタンさんは決して間違ってない。
貴方は正しいんです。
だからモカタンさんはこれから強く生きていくんです。」
女性委員長の左薬指にキラリと光る結婚指輪になぜか説得力があり、今まで家族から諦めなさいと私が産みたいと思う事が間違ってるように感じてた気持ちから、
ほんの少しだけ開放されたような、また真っ直ぐな目で私を見て言う言葉は、重く、強く、女性だからかな…
赤ちゃんを諦める選択肢は120%間違いなんだっていう私の心からほんの少しだけとき離れたような、私が赤ちゃんを諦める決断をした一番の時間となりました。
そこからは中期中絶とはこういう事をします。
という話しを聞きました。
法律でモカタンさんの場合は○日迄に産まないと、
赤ちゃんを育てて行く方向性になります。
人によっては全ての工程まで5日間ほどかかる方もいます。
とても辛い日々がのしかかってくるので覚悟して欲しい。
また、時間はもうほとんどないです。
紹介状を書くから明日にでも直ぐに病院に行って下さい。
そのようなお話を伺い、病院を後にしました。
この病院にみてもらってて良かった。
命と隣り合わせの職業って本当に辛くまた責任が重すぎるものだなと感じました。
頭は決断しても、
ココロは決心が付きませんでした。
自分の弱さが全てかもしれません…