東京都市大学で学んだ日々を思い出しながら
大学時代、「幅広く学ぶこと」を大切にしていた東京都市大学。 人文科学から自然科学まで、浅く広く学ぶカリキュラムは、当時の私にとって“世界をつなぐ橋”のようなものでした。
一方で、専門性がないことにコンプレックスを抱く同級生も多くいました。 でも私は、いろいろな分野に興味があって、複数の学びが思わぬところでつながる瞬間が好きでした。
そんな私にとって、この『世界を読みとくリテラシー』は、まさに大学時代の学びをもう一度照らし直してくれるような一冊でした。 さまざまな分野の教員が、それぞれの視点から「世界を読み解くための力」を語っていて、読むたびに新しい扉が開くような感覚があります。
ここからは、章ごとに考えたことをまとめてみます。
✏️ 教育学 ― 多数派に流されない“批判的リテラシー”
読み書きのリテラシーは、単なるスキルではなく「権力構造」にも関わるという指摘が印象的でした。 多数派の価値観に合わせることが“正しい”とされがちだけれど、そこに理不尽が生まれることもある。
協調性は大切にしつつも、善悪を自分で判断できる人でありたいと思っています。
🌍 語学 ― 英語との距離を縮める4つの視点
「英語は共有できるコミュニケーションの手段」 この言葉がとても好きです。
英語を“勉強”として構えるのではなく、 ・身近に感じる ・気楽に使う ・気長に付き合う ・思考の幅を広げる そんな姿勢で向き合えば、もっと自然に英語と仲良くなれる気がします。
🎬 文学 ― 観察力が世界を広げる
1950年代アメリカを文学と映画から読み解く章。 「何を見るのか」という視点が、観察力を育てるという話が心に残りました。
ただ受け取るのではなく、関心と疑問を持つこと。 これは日常のあらゆる場面でも活かせる“発見のスキル”だと感じます。
🎨 芸術学 ― ジャポニズムから自国文化を見つめ直す
日本の近代と欧米が互いに影響し合ってきた歴史。 ジャポニズムを知ることは、日本文化を外側から見つめ直すきっかけになる。
自国の文化を大切に思うなら、他国の文化も尊重せずにはいられない。 この視点は、今の国際社会を生きるうえで欠かせないものだと感じました。
🧭 倫理学 ― 自分の頭で考え抜く
どんな対象でもいいから、自分の頭で考え抜くこと。 シンプルだけれど、いちばん難しいこと。
SNSで情報があふれる今こそ、意識していきたい姿勢です。
🧠 心理学 ― 自己決定感と有能感が人を動かす
大学で出会った人たちの中には、自己認知がとても否定的になっている人もいました。 心理学の章を読みながら、その光景を思い出しました。
「自分で決めている」「自分は役に立っている」 この2つの感覚が、人の動機づけを高める。
家庭や学校、社会がもっと丁寧に注目すべきテーマだと感じます。
💻 情報学 ― 情報を“正しく使う力”の重要性
情報学は、さまざまな学問を横断的につなぐ学問。 まさに現代を読み解くための必須スキルです。
仕事でも趣味でも、情報をどう扱うかで結果が変わる時代。 私自身、もっと情報リテラシーを磨きたいと思いました。
🔬 科学論 ― 疑似科学に流されないために
疑似科学の話は、身近な人がハマりやすいこともあって、とても実感を伴って読みました。
「期待する結果だけを無意識に集めてしまう」 これは研究だけでなく、日常の判断でも起こりがち。
仕事でも、気づいたことは反対されても伝えるべきだと改めて思いました。 過去に上司に報告しても聞いてもらえず、結局自分のミスにされた経験があるので、なおさら胸に響きました。
➗ 数学(代数学・幾何学) ― 世界を読み解くための“数学化”
数学は自然という書物を読むためのリテラシー。 現象を数学的に捉えることで、世界の構造が見えてくる。
位相幾何学の話は難しいけれど、「本質をつかむための方法論」という説明が腑に落ちました。
🌌 物理学 ― 宇宙観は共同作業でつくられてきた
ニュートンからアインシュタインへ。 時空の認識が変わることで、宇宙の見え方も変わっていく。
多くの科学者が時間をかけて積み上げてきた“自然科学のリテラシー”が、今の宇宙観を支えているという話にロマンを感じました。
⚗️ 化学 ― 見えない世界をイメージする力
化学は苦手意識を持つ人も多いけれど、原子や分子をイメージできると一気に理解が進む。 生活に密着した学問だからこそ、リテラシーとして身につけたい分野だと感じました。
🌱 環境学 ― 「知ること」から始まる環境保全
経済発展と環境保全は両立するのか。 生物多様性が私たちの生活を支えているという視点は、もっと多くの人に届いてほしい内容です。
🗾 地学 ― 地形を知ることは“自分を守る力”になる
地球の歴史や地形の成り立ちを知ることは、災害から身を守るための基礎知識。 東京の地形の話は、身近な場所の見え方が変わる面白さがありました。
🌟 読み終えて
この本は、まさに「新しい世界との出会い」をくれる一冊でした。 大学時代に広く学んだ経験が、今の自分の視野をつくっていることを改めて実感しました。
専門性がないことを不安に思う人もいるけれど、 広く学ぶことは、世界をつなぐ力になる。
これからも、興味の赴くままに学び続けたい。 そんな気持ちを強くしてくれる読書体験でした。