風花 43 諦めないよ | 緑の木陰で妄想日和

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相葉さんのお名前をお借りして
女の子といろいろ絡むお話。
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お話部分のみ、お引越し♪
この分野にご理解のない方はお控えください。

(43)諦めないよ

遠慮してるってどういうこと?
意外なことを言われて目を見開いて間抜けにも口まで開いて、潤くんを見た。
潤くんは私を正面から見返した。
綺麗な瞳が真っすぐに私を見る。

「あいつ、`相葉さんもとっとと行けばええのに、なんか行き切れてないいうか、二の足踏んでる感じするから、潤行けるんやない?' って」
そんなこと、望くん、言ってたの?
そんなに事情、詳しく知ってるの?
そんな、見ててわかるくらい私の気持ちを、みんなが知ってるってこと?

そもそも、相葉さんが二の足を踏んでるとはどういう意味?
相葉さんが私に交際を申し込まない理由は、本当に好きな人は元カノさんだから私に好きだとかを言ってくる意味がないからだよ。
そして私が元カノさんの代わりになれる子かどうか、見極め中だからだよ。

「別に噂になったりしてる訳じゃないよ」
私の不安そうな驚いた顔を見て、落ち着いた声で真面目に言った。
「俺が、様子見ててっつったから。変わった様子あったら教えてくれって言ってあったから、だから見ててわかるだけだよ。他の人はきっと知らない。櫻井さんとかは多分、全部知ってそうだけど」

安堵に近い息を吐いた。
なんて言っていいかわからない。

「俺、諦めないよ。完全にお前たちがくっつくまでは、俺諦めない」
「でも…」
「今は友達でいいっつったろ」
潤くんはそこで初めて、今日会ってから一番いい笑顔をみせて、にこっと笑った。
私が安心できるように、そこまで言ってくれるなんて、こんなに私は毎日相葉さんのことばかり考えているのに。

やっぱり潤くんはいい人で、でもだからこそ申し訳なくて。

「でも、待っててもらっても、私…」
「いいんだ。俺が、待ちたいんだから。…俺も波奈と同じだよ。誰に何を言われたって、好きなひとのこと諦めて他のやつと付き合うなんて結局できないんだよ」

誰に何を言われたって。
潤くんもきっと誰かに告白されたりしたんだろう。
だってすごくモテてる。
こんなハイスペックの男の人が言ってくれてるのに、潤くんのいう通りだと思う。
好きな人を諦めて別の人のところへ行くのは、今の恋が木っ端みじんに砕けでもしない限り出来ないことだ。

潤くんを見ることが出来ず、なにも言えず、冷めたコーヒーをひとくち飲んだ。
苦い。

沈黙が苦しい。

「ごめん。責めてるんじゃないんだ」
潤くんが、苦しそうな顔をした。
ごめん。
「…うん」
「また、みんなで遊ぼうよ」
黙り込む私たちの空気を切り替えるように明るい声で言って、潤くんは席を立った。
彼を見上げて何か言おうとして、でも言葉が出ない。

「じゃあな」
最後に彼は、にこっと白い歯を見せて笑って手を振った。
「うん、バイバイ」と、私も手を振って見送った。


出ていく長身の後ろ姿を見送って、ホッとため息をついた。
本屋のざわめきが戻ってきて、周りの女性客たちから、あんなカッコイイ人となんでこんな女、みたいな視線がこちらを向いている気がしてついつい周りを見渡した。被害妄想だけど。

はあ。
いつもこんなふう。
本当なら、これから先も潤くんを見ることはできないからときちんと断われば良いと思うのに。
だけど強く言われたら結局断り切れなかった。
待つと言われて承知してしまった。

さっき見せた彼の苦しそうな顔を思い出して、このままは絶対良くない、と思った。



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