風花 2 あの人 | 緑の木陰で妄想日和

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相葉さんのお名前をお借りして
女の子といろいろ絡むお話。
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この分野にご理解のない方はお控えください。

(2)あの人

入社式を終えるまでの数日はガイダンス、オリエンテーションでバタバタだった。
加えて最初に総務に出すさまざまな書類を揃えての提出、入社前研修という名の新人交流会、などなどを経て怒涛のように過ぎた。

そして今日、本当の意味で初出勤の日。
朝から緊張してた。
他の新入社員の子たちは何人かずつ一緒の部署に配属されたけど、私の入る課には今年女子社員は私ひとりだ。
大卒の男の子たちはあと何ヶ月かいろんな仮配属先を回り終えてからの正式配属になるから、今のところほんとにひとり。
心細い。


「水野波奈です。よろしくお願いします」

課のひとたちの前に出て、挨拶したときはなんとか落ち着いて振る舞ってみせたけどそれが精一杯。
この先が思いやられるなあ。もっと落ち着かきゃ。

ひととおりの朝礼が終わった。
それから、ちょっと頭髪がさみしくなってきてるけどまだ若そうな鈴木課長がやってきて、こっち来てと言うと、水野さんの机はこっちね、と私を案内して先に立って歩いていく。
その後をついていった先にいたのは。

私の机、と指された席の隣にいた男の人が、椅子ごとこっちに向いてにっこり笑って言った。

『相葉です。水野さん、これからよろしくね』

あ。
あのひとだ。

びっくりして、相当とんまな顔で彼の顔を見ている私に、相葉さんはあの素敵なおひさまみたいな笑顔でにっこり笑った。

『うちの会社だったんだね。あの後大丈夫だった?』
「はい。あの日は入社前研修で急いでて…ありがとうございました」
慌てて頭を下げる。わーなんてこった…。

「あれ、もう知り合いか? ならちょうどよかった。しばらく新人教育は相葉くんに任せようと思ってたからな。水野さん、わからないことは何でも相葉くんに教えてもらってくれ。えーと、それから、我が課の古くからのマドンナ真瀬さんにも紹介しよう。こっちだよ」
「こんにちわ、真瀬です。よろしくね。…て、かちょ、古くからてなんすか?」

可愛く課長を睨みつつ、にこっと笑ってくれたその先輩は、年配なのか若いのか、一見するとわからない感じの可愛らしい人だ。
たぶん自分の母親より少し若いくらいの、それなりに年齢はありそうな感じだけど雰囲気が少女みたいで可愛らしい。
少し小さな目がくしゃくしゃと笑っていて、そんなに緊張しなくてもだいじょぶよ、相葉くんがなんでも教えてくれるから、覚えることいっぱいあるけど頑張ってね、と言ってくれた。
良かった。優しそうなひとだ。

あと何人かの女性社員さんもいて、濱崎さんと深川さん、砂野さんを一通り紹介された。
ぐるっと課の給湯室とかトイレとかロッカーとか案内されて、机に戻ってくると相葉さんはいなかった。
とりあえず席について、鈴木課長から渡された資料を読み始める。
課のおおまかな仕事内容や流れが書いてある新人用マニュアル。
資料作りやデータ処理、調査の補助などが主な仕事になるらしいとわかる。わかるんだけど、まだなにがなんだか。

日本語なのになかなか頭に入ってこないあれこれに頑張って目を通していると、相葉さんが戻ってきた。
『水野さん、ちょっといい? 会議室とったから、おおまかな仕事の流れを説明するね』



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