眠りから覚めると





京都は雨でした…。




しゅうさんから

「傘を持って行くよ」とメールが来ました。


二人でひとつの傘でいいのに…

彼は、こうして不器用に生きてきたんだろうと、思いました。




昨日から

「ウッチーと娘さんにお数珠を買ってあげたいんだ」


と言っていたしゅうさん。


東本願寺の前に並ぶお数珠の店に連れて行ってくれました。


たくさん並ぶお数珠を見ながら、





「お数珠は持っているから、ブレスを買って欲しい」とお願いしました。



お数珠よりいつも身に付けていられるものがいいと思ったので



しゅうさんも、快く
「じゃ、どれがいい?」







高級そうなものもたくさんあるけど、私は濃い紫色に光る石を気に入って


「これがいい」と腕にはめてみました。



しゅうさんも「それが似合ってるね」と言ってくれて




私にプレゼントしてくれました。




どうしてお数珠を買ってくれたのか私にはわからなかったけど、本当にうれしかった。

本屋さんで、ブッタの本も買ってくれて…




長い間、生きてるけど

お数珠のブレスレットと、ブッタの本を男性からいただいたのは初めて…。

しゅうさんらしいプレゼントでした。


そのあと、東本願寺のお堂で、二人お参りをしました。





京都へ来て、お参りができたこと、しゅうさんに出会えたことに感謝して私は手を合わせました。


お別れの時間が近づき

言葉がみつからず


楽しかった時間を思い出し、私は静かになって行きました。


しゅうさんも何も言わない。



ここでお別れしたらもう会えないだろう


サンダーバードがホームに入り


他の人が乗り込む間に、しゅうさんと握手をしました。





「しゅうさん、ありがとう。また会いましょうね」


と言ったはず…。


しゅうさんも、「うんまた会おう」って




電車の扉が閉まると


しゅうさんが「またね」と言ったような気がして


私はうなずきました。




見えなくなるまで手を振って、自分の座席に座ると


押えていた感情が溢れてきて



涙が止まらなくなり…



困った…。




拭いても拭いても、涙が出てくる。


バカじゃないの?私は…

いったい何のために泣いてるんだろうか…?

しゅうさんにもう一度ありがとうのメールをして、自分の感情を収めようとしました。





しゅうさんへの気持ちがはっきりとこの時、わかったように思います。



しゅうさんが大好き。


もう一度、会って話がしたい。

私にとっては、二度と会えないような包容力と、優しさと真っ直ぐさを持っている魅力的な男性だったのです…



しゅうさんは?

私にまた会いたいと思ってくれてる?

昨日のプロポーズはやっぱり冗談だった?





冗談だったとしても、私の気持ちはもう止められなくなっていたから

自分の気持ちをいつか、しゅうさんに伝えようと思った。


「恋」


という感じでもなく


表現できないような恋しさが胸いっぱいに広がり



しゅうさんの胸に飛び込んで行きたくなり…

抱きしめてほしくなり


ずっと一緒にいたい。




私の心は、ただそれだけでした。






1人の男性に、こんなに早い時間の中で

強く強く…

惹かれていったのは、初めてのことでした。