五条烏丸からずーっと歩いて




私たちは温泉を探しました。

なかなかたどり着けず、それでもお天気が良かったから、ずいぶん歩きました。


今度は私がしゅうさんに質問しました。


離婚について…。




それがおもしろく、しゅうさんらしい話だと思ったのですが


しゅうさんにすれば、嫌な思い出なんでしょう…。






どれだけ歩いても


温泉がありそうではない。


疲れたのと、お風呂に入りたいのと、咽がかわいたのが入り交ざって



私は、しゅうさんに言いました。




「私のホテルの部屋に来て、順番にシャワーしない?」


あとからしゅうさんに聞いた話では、こんなこと言われてかなりドキドキしていたようです。




よく考えれば、女が部屋に誘うなんて、しかもシャワーなんて、

とても危険なこと。






私は、そんな危険なことが苦手なので、今思うと不思議な感じがします。


ただ…




しゅうさんは、危険な感じが全くしなかった。

色気を感じなかったと言うか、絶対大丈夫と言うか


そんなこと思いもしなかったので


「シャワーして飲みに行こうぜー」というノリでした。




1人でドキドキしていたしゅうさんは、今思えばバカみたい…。笑






私は、汗だくでとにかくこのまま飲みに行くのがイヤだっただけなのに。期待させてごめんなさい。




そんなわけで

全くその気のない私に、しゅうさんもおとなしく居てくれて



飲みに出発~




最初は、偶然見つけた変なお店に入り(でもおいしかった)…

しゅうさんの飲む量に驚き


次はバーへ行き、




閉店になったので、近くのバス停で話をしました。




しゅうさんと何を話したのか覚えていませんが、私に一生懸命話してくれたことを覚えています。


しゅうさんの話はお坊さんらしくないのです。



私は、もっと

法話のような、キチッとしたお話をしてくれるのかと思っていたら

そうではなく…


人間らしい、しゅうさんなりの考え方がとてもステキだと思いました。






もう一軒、開いている店を見つけたのでそこでも飲み

また閉店になり


今度は四条大宮の交差点で立ち話を始めました…。



缶コーヒーと携帯灰皿を持ったまま




長い時間、2人で話ました。



その会話の中で、しゅうさんは私の抱えているトラウマにふれ、それを溶かしてくれたのです。

とても、一生懸命で、

彼の話に引き込まれました。





そして突然

「ウッチーは僕と結婚してください!  結婚して一緒にブラジルに来て下さい」と叫んだので



何言ってるの?

私をからかってない?


と…


私はとっさに壁を作りました。




「バカなこと言わないで!!」

「しゅうさんはもっと若い子と結婚して、幸せになりなさいよ」


と答えたはずだと思います。







昨日、初めて会ったのに何プロポーズしてるんだろう?


とおかしくなったから


明日になったらきっと忘れるよねって思いながらも、少しづつしゅうさんの方へ私の気持ちが動いて行ったのだと思います。




もう明け方…


すぐ近くのホテルの前まで送ってくれたしゅうさんと握手をして別れました。





部屋に入ると、しゅうさんから

「ブラジルの合格通知が来てました」


と、メールが。




ブラジルへ行ってしまうのねしゅうさん。


「おめでとう」と返信したけど、心の中で寂しくなるねと言いました。




一緒に過ごした今日一日。

楽しくて、いろんなこと話ができて、こんなに分かり合えたのに…



寂しさでいっぱいになりながら、眠りにつきました。