イラン戦争を背景とした原油高を受け、主要通貨では依然としてドル買いが強まっている。ドル円は1月14日に付けた年初来高値159.45円を上抜き、159.69円まで上昇した。いよいよ160円が視野に入ってきた。主要通貨が対ドルで大きく下落している影響からクロス円は軟調で、クロス円が下落する中でもドル円が上昇する、まさに“ドル相場”の様相だ。
個人的には157円台を売り場と見ていたが、これは見誤った。相場観が外れること自体は仕方ない。ただ今回の相場で最も驚いているのは、米トランプ大統領がイラン攻撃を想定以上に安易に考えていた可能性がある点だ。株価や原油相場の動きは、恐らくここまでの展開を想定していなかったのだろう。
これまでトランプ大統領はイラン攻撃について「まもなく終結するだろう」と述べ、原油高も一時的と指摘していた。しかし原油価格の上昇が続く中、12日には米財務省が、現在海上輸送中のロシア産原油・石油製品について、各国が約1カ月間購入することを認めると発表。さらに昨日、トランプ大統領は「私にとって原油価格よりもイランを阻止することが重要」「原油価格が上昇すれば米国は大儲けできる」とまで発言した。
これらの発言から、トランプ大統領にとって想定外の事態が進行していることが伺える。そもそも想定が甘かった可能性が高い。イラン戦争は長期化するリスクが高まりつつある。原油が上昇すればスタグフレーション懸念が強まり、株価や商品価格の下落、そして為替市場ではレパトリによるドル売りが進むシナリオも視野に入れておいてもよさそうだ。
