佐藤りゅうじの今宵もうっしっし~

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FOREXを中心に、マーケットの鼓動をお伝えします

トランプ米大統領の訪中日程が終了した。報道では両首脳の親密さをアピールする論調が目立つが、その真意や実利のほどは不透明だ。台湾問題を巡る「米国の戦略的曖昧さ(ストラテジック・アンビギュイティ)」は維持されたままであり、市場が最も注視した中東情勢の緊張緩和についても、具体的な進展は見られなかった。
 

この政治劇の影に隠れる形となったが、今週発表された米国の4月物価指標は極めて不気味な足取りを示している。CPI(消費者物価指数)は前年同月比3.8%、PPI(生産者物価指数)に至っては同6.0%という高水準を記録した。これではFRB(米連邦準備制度理事会)が早期利下げに動く大義名分は完全に消失したと言わざるを得ない。これに米国の慢性的は財政不安が追い打ちをかけ、米10年債利回りは4.6%付近へ上昇、米30年債利回りに至っては5.1%台へ突入する事態となっている。
 

ここで警戒すべきは、株式市場とのバリュエーションの歪みだ。S&P500の12カ月先予想益利回りが4.6%付近にとどまるなか、30年債利回りとの「逆スプレッド(債券利回りが株の益利回りを上回る状態)」は0.5%近くまで拡大している。株式のリスクプレミアムが完全に消滅したこの異常な水準は、実にドットコムバブル崩壊直後以来の怪異だという。
 

足元の米国企業の業績、とりわけ生成AI関連セクターの力強さは本物であり、米国株がここから即座にクラッシュに向かうとは言わない。しかし、債券価格の容赦ない下落(利回り上昇)と、最高値圏を維持する米株の同居には、「気持ち悪さ」を禁じ得ない。大嵐が吹き荒れる前に、ポートフォリオの現金比率(キャッシュポジション)を緩やかに引き上げるアプローチを考えてみるのは賢明なリスク管理と言えそうだ。


5月17日からの一週間の主な政治経済イベント

—【18日】—————————————————————
英ライトムーブ住宅価格(5月)
中国小売売上高(4月)
中国鉱工業生産指数(4月)
トルコ消費者信頼感指数(5月)
トルコ雇用統計(4月)
グリーン英金融政策委員会(MPC)委員 講演
マン英金融政策委員会(MPC)委員 講演
米NAHB住宅建設業者指数(5月)
米対米証券投資(3月)
G7財務相・中央銀行総裁会議(~19日、フランス・パリ)

休場:カナダ

—【19日】—————————————————————
NZ生産者物価指数-投入高(1Q)
ハンター豪中銀(RBA)総裁補 講演
日本GDP1次速報(1Q)
豪中銀理事会議事録(5月4・5日開催分)
日本鉱工業生産指数(3月)
英雇用統計(4月)
香港失業率(4月)
ブリーデン英中銀(BOE)副総裁 講演
ユーロ圏貿易収支(3月)
レーン欧州中銀(ECB)専務理事(チーフエコノミスト) 講演
ウォラー米連邦準備理事会(FRB)副議長 講演
カナダ消費者物価指数(4月)
マクフール・アイルランド中銀総裁 講演
米中古住宅販売成約指数(4月)

—【20日】—————————————————————
ポールソン米フィラデルフィア地区連銀総裁 講演
豪ウェストパック先行指数(4月)
英消費者物価指数(4月)
英生産者物価指数(4月)
英小売物価指数(4月)
独生産者物価指数(4月)
南ア消費者物価指数(4月)
ユーロ圏消費者物価指数確報値(4月)
南ア小売売上高(3月)
米MBA住宅ローン申請指数
バー米連邦準備理事会(FRB)副議長 講演
米FOMC議事録(4月28・29日開催分)

—【21日】—————————————————————
NZ貿易収支(4月)
日本貿易収支(4月)
日本機械受注高(3月)
小枝日銀審議委員 挨拶
豪雇用統計(4月)
仏PMI速報値(5月)
独PMI速報値(5月)
ユーロ圏PMI速報値(5月)

ユーロ圏経常収支(3月)
英PMI速報値(5月)
ビルロワドガロー・フランス中銀総裁 講演
テイラー委員英金融政策委員会(MPC)委員 講演
香港消費者物価指数(4月)
米新規失業保険申請件数
米フィラデルフィア連銀景況指数(5月)
米住宅着工・許可件数(4月)
米PMI速報値(5月)

—【22日】—————————————————————
NZ小売売上高(1Q)
日本消費者物価指数(4月)
独GDP確報値(1Q)
英小売売上高(4月)
トルコ貿易収支(4月)
トルコ設備稼働率(5月)
レーン欧州中銀(ECB)専務理事(チーフエコノミスト) 講演
独ifo景況感指数(5月)
ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、カジミール・スロバキア中銀総裁、
ミュラー・エストニア中銀総裁 講演
カナダ小売売上高(3月)
カナダ鉱工業製品価格(4月)
米ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(5月)
ウォラー米連邦準備理事会(FRB)副議長 講演


※詳細はこちらのサイトで確認ください↓↓↓
https://ing.forexnote.jp/calender.php