「お金がない。3千円しかないの!」と騒ぐ母の財布には
2万円入っている。
「あるでしょ?」
一緒に財布の中を見る。
「私の財布に2万円あるの、よく知ってるね?」
「だって、私がATMからおろして、渡したんだもん。」
このやり取りを
1日に何回やれば、気が済むのか。
一緒にスーパーへ行けば、歩道橋のエレベーターの前で
バックから財布を取り出し、中身を確かめるので、制止する。
「こういうところでお財布出さないで。危険だよ!」
エレベーターから降りた時も
また財布を確かめる。
スーパーの会計待ちで、お金を数え始める。
肝心のポイントカードが出てこない。
いちいち
大声で言う私に周りの視線が集まる。
クレーマーじゃないよ。
母は動作が素早いので、気がつくと
買ったものを
片っ端から自分のリュックに入れているが
牛乳、ヨーグルト、バナナ、カボチャ、白滝
重過ぎるので、私のリュックに詰め替える手間。
母には食パンを持ってもらう。
二人でバス通りまで一緒に歩き
母だけバスに乗るのだけど
母が家にたどり着くのが、私より、ずっと遅いのが謎。
母のお金で買ったレシートを見て
また私に代金を払おうとするので
ああ、進んでいるのだなと、実感する。
かなしい事実。