涼しくなってきましたね。
七日の白露を過ぎてから、
あきらかに空気が変化したのを感じます。
これからは神社参拝が
もっとも快適な時期ではないでしょうか。
真夏の神社参拝は暑さだけでなく、
場所によっては蚊の攻撃がすごくて
お祈りにまったく集中できません。
これからの季節はそれを気にする事もなく、
しっかりと神さまと向き合うことができます。
私は一年で、
11月と12月がもっとも好きなときです。
年の瀬に向う緊張感と、
凛とした空気感がたまらなく好きなんです。
少し遠出をして、
まだ参拝したことのない神社に
行ってみたいという、
そんな思いにかられます。
私はこういう仕事をしていますから、
一般の方に比べれば、
はるかに多く、いろんな神社に
参拝しているでしょう。
ですが全国にある神社の数は、
小さな社(やしろ)なども含めれば、
12万社ともいわれています。
私は自分が参拝した神社の数は
数えたことはないのですが、
おそらく数千くらいだと思います。
それも五千未満でしょう。
そう考えるとまだ、
多くみても5%くらいだということです。
少ないですね・・・
生きていられる内に、
あとどれくらい参拝することができるでしょうか。
大きな有名な神社でも、
まだ参拝していない神社がたくさんあります。
実は大きな声では言えませんが、
出雲大社にも参拝したことがありません。
「え=!」
という声が聞こえてきそうです(苦笑)
神社参拝は、
もちろん自分の意思で行くのですが、
「神さまに招かれて」
ということも多くおこります。
そういう神社へは、
自分にとって最適な時期が来るまで、
御縁をいただくことはありません。
そのときがくれば、
守護の神仏が導いてくださいます。
出雲大社にしても、
「今すぐにでも行きたい」
という気持ちは、
今のところ私の中にはありません。
行くことになっているのであれば、
いずれそのときが訪れるでしょう。
最近の私は大きな有名な神社より、
ひっそりと鎮座する、
小さな神社の鳥居をくぐることが増えました。
そういう神社では手水もなかったり、
もちろんのこと参拝者も
まったくいません。
私はその境内(けいだい)にたたずみ、
神さまとのコンタクトを楽しんでいます。
こちらもそんな神社のひとつ。
数年前、
江戸川の土手を散歩していたときに
偶然見つけた小さな八幡さまです。
ここの狛犬は、愛嬌があって可愛いです。
両方とも口が開いているのは珍しいですね。
最初に参拝した時は、
由緒書きも無い小さな八幡神社だと思いましたが、
ここが北原白秋ゆかりの地だと知り、驚きました。
参拝を終えて帰ろうとしたときに、
ひとりのご婦人とすれちがいになり、
お互いが笑顔で会釈をしました。
私は鳥居越しにしばらく見ていたのですが、
このご婦人はとても熱心にお祈りされていました。
意識を同調させると、
どうやら地方にいる、
ひとり息子さんのことを祈られているようです。
その思いが強く伝わってくるので、
おもわず胸が熱くなりました。
こういう姿を目にするのはいいものです。
大きな神社参拝では味わえないものが、
ここにはあります。
神社参拝の原点ともいえるものでしょうか。