凛としてそびえ立つビルたちが姿を消し、
緑の平面へと変わる。
デッカい無機質な白い棒の隙間から
見えていたはずの青が、
邪魔されることなく広がる。
町が若返る景色はやはり綺麗だと、
帰省する度に新幹線の中で思う。
早く大人になりたいと言う
少年・少女は少なくない。
キラキラした街へと繰り出し
自由に跳び回りたい。
そう願い都会へと早足で進んでいく。
しかし、未来へと行き急ぐわりには、
学生時代は〜とか、あの時は〜など、
若い時代を語る。当たり前だ。
責任が伴ってないほうが自由よ。
そして、コントロール可能な未来を見据えず、
変えられない過去にしがみ付くほうが、
そりゃー、楽だもの。
都会への憧れはいつの間にか消失し、
自由だと思っていなかった、
自由だった空間に戻りたくなる。
何もないはずだった場所は、
たくさんのもので埋められている。
思い出は色褪せないというやつだ。
緑の先はいつまでも緑。
その美しさを新幹線はいつも説いてくれる。
人間を運ぶのは、にのつぎらしい。
YAM