偏差値というのは統計学的な数字に他なりませんから数値を放り込めば単純に偏差値が出てきます。 全く数学的には意味のない数字。 例えばプロ野球の背番号を片っ端から放り込んでも偏差値が出るわけです。阪神タイガースの全ての選手の背番号の偏差値を出して中日ドラゴンズの選手の偏差値と比べても何の意味もないことは分かりますよね。


 その偏差値を出したりその偏差値がどういう母集団に基づいているのか、 前提となる正規分布は?
これは数学の対象です。


ただし、それをどのように受験現場で使うか偏差値に基づく合格判定をどうするかというのは塾予備校の解釈であって数学の問題ではありません。

以前偏差値がマイナスになることはあるかと聞かれたので、ありませんと答えました。

 そうするとお前はこんな簡単な統計学の基本を知らないのかと言われて往生しました。

数学的には偏差値がマイナスになることもあります。100を超えることもあります。

ただ、私が答えたのは受験現場での実務なんです。自分のことは数学者と思っておりませんし受験講師は常に現場主義です。




標準偏差を出してる段階でRoot を取っていますから分母はマイナスにはなりません。

各点数とか受験者の数がマイナスということもありませんから必ずプラスになります。

そして模擬試験においては平均点がマイナスということはありませんから偏差値はマイナスになることはないとお答えしたわけです。 

 単なる数式ですから平均点が受験者数は虚数になることはありませんけれども代入すれば虚数の偏差値もあり得るわけです。


模擬試験を実施すれば受験生が10000万人とか20000万人ということはありえません。

また点数も100点満点なら0点から100点の閉区間にあるわけであって点数がマイナスとか1億点ということはありえません。

従ってプラスの数をコンピューターに入れるしかありませんからとんでもない数字は出ません。

それに受験生に成績の表をプリントアウトして返却する際にもともとマイナスの記号書く欄がありません。

したがって模擬試験で偏差値を出した時にマイナスになることはありえません。

パソコンがエラーを起こしてしまいます。

偏差値に基づく合格判定はましてや数学ではありません。

統計学ではありません。

どんなに優秀でも合格可能性100%とかは絶対に出ないようにシステムを組んであるわけです。そりゃそうですよね。どんなにトップクラスの受験生でも神様でもない限りあなたは100%合格しますと言えませんからね。

元の話に戻って偏差値がマイナスになるかあるいは100を超えることがあるかということに関して言えば、統計学的にはありえるけれども実際に実務として受験現場で偏差値を出す際にはありえないという回答です。

偏差値というのは単なるものさしですからそれをどのように使うかが重要なわけです。

ものさしで人を叩けば怪我をしますよね。

偏差値というのは単なる統計学の数字でやってそれ以上でもそれ以下ではありません。

大切なことはそれを上手に利用することです。