それが学習塾であれピアノ教室であれ英会話学校であれ、「人」を相手にする仕事というのは本当に難しいと思います。

 
相手はコンピューターではありません。100人いれば100人のそれぞれの別々の個性を持った人間を相手にするわけです。一人として同じ人間はいません。
 
その中でこういう経験をしたことも忘れられません。
 
ある学習塾で教えてた時の事です。
 
小学生でとんでもない悪ガキの男子がいました。
 
悪ガキなんてもんじゃありません。
 
何しろ授業中に講師に向かって唾を吐くのです。
 
目に何か憎しみのようなものがこもっていてゾッとするような目つきで睨むわけです。
 
さすがに経営者がこれはもう辞めてもらうしかないということで,ご家庭に連絡しても全く連絡がつかないのです。
 
学校の帰りに寄って、あとはおばあちゃんの迎えだけで一切父親にも母親にも連絡がつかないのです。
 
辞めてもらうのはしょうがないにしてもその前に担当の科目の全講師を集めて会議を開きましょうと提案いたしました。


これは学習塾運営の基本です。
学習塾の 規約 に他人に迷惑をかけ 何度注意しても改善が見られない 場合には退 塾 処分にすると書いてあります。 そのためどのような迷惑行為をしたかということを担当の先生を全部集めて記録する必要があるからです。
 
そうすると驚いたことに女性講師から「あんないい子はいないよ」と言われました。
 
「黒板を消してくれるし素直に言うことを全部聞いてくれます」と言われたのでびっくりしたわけです。
 
その時に分かったのですが男性講師にはものすごく反抗的なわけです。
 
一方で女性講師の言うことは素直に聞くのですね。
 
本当に人を相手にする仕事というのは難しいと思いました。
 
どんなに AI が進歩しようがやっぱり基本は人間同士の関係なんですね。