ある関西の大手塾がこういう広告を出しました。
生徒の成績がどんどん伸びているということで塾内の偏差値が伸びてる表を書きました。
塾内生対象の模試なのです。
さすがに大恥をかいたようです。東京の名門数理難関塾との提携を解消されてしまいました。
偏差値は相対的な評価ですから塾生全員の成績が上がったとしても平均は50になるはずです。
おそらくクレームがあったのだと思いますがその後、新しいグラフを作りました。
偏差値60以上達成者の割合がどんどん増えているというものでした。
要するに生徒の成績の変動が激しいというだけのことです。偏差値60以上達成した人というのは減るわけがありませんから必ず単調増加を描いて増えるグラフになります。
正規分布というのは Y 軸を対象に左右に無限に伸びているグラフになります。
従って偏差値が70以上の大学と偏差値が30以下の大学というのは同じ数でなければ数学的におかしいわけです。
どうしてそうならないかと言えばあくまでも作業仮説であり無限の生徒に無限の問題を解かせることが不可能だからです。
中心極限定理の収束条件を満たしていないのです。
もう一つは選択科目を受ける受験生は自分の得意な科目で受けるに決まっているからです。
さらに一人の受験生が一つの大学及び学部を受けるわけではありません。
中学受験の偏差値はもっと要注意です。なぜならば中学受験は義務ではありませんから偏差値があまりにもひどすぎでは受験しないだけのことです。無限の数の小学生をランダムサンプリングにして一人が一つの中学を受けさせるわけではありません。
あくまでも偏差値というのはひとつの目安に過ぎないわけです。