パックツアーについては、それが全面的にいいとか悪いということを断言するつもりはありません。
パックツアーにも個人旅行にも、それぞれいい点もあれば悪い点もあります。
少なくとも私には、旧共産圏について個人旅行をする勇気は一切ありません。
日本人が危険だと思っている国は、おそらくイスラームの国と思われますが、例えばブルネイ・ダムサーラというイスラームの国は、世界で最も治安がいい国だと思われます。
私の判断で危険な国と言えるのは、ルーマニアとか東欧諸国のような、旧共産圏の国や地域であると思っております。
ところで、パックツアーというものにおいては、どこまでも日本人的サービスが求められ、お客もそれに甘え、添乗員もそれに必要以上に応えるという、非常に困った風潮が一部ではあるようです。
パックツアーでウクライナに行った時のことです。
あるお客さんが、
「現地通貨がないので、ちょっと添乗員さん、いくらか貸してくれ」
と言われました。
その時に添乗員さんは、
「近くの銀行に行って、両替をお願いします」
と言われました。
そうするとそのお客さんは、ひどく憤慨され、気の利かない添乗員だとか何とか、ずいぶん悪口を言われました。
ちょっとお金ぐらい貸してくれてもいいじゃないか、それを銀行に両替に行けとは、とんでもない添乗員だ、と言われました。
本当にそうでしょうか。
私が後で添乗員さんと二人きりになった時に、添乗員さんに質問しました。
「先ほどの話ですが、御社では、お客様と添乗員さんのお金の貸し借りをすることは禁じられているのではないですか」
と尋ねると、
「その通りです、なぜなら、添乗員は、会社の経費で両替手数料を払っていますから」
とのことでした。
もし添乗員さんが一部のお客様に対してお金を建て替えたら、それが問題になるということが、このお客様にはわかっていないのでしょうね。
少なくとも、その添乗員さんは事前にここでは現地通貨しか使えないので、必要なお金は事前にホテルなどで両替をしてくださいと説明しています。
なおかつ、現地通貨がない場合はクレジットカードで払えるということも説明しています。
だから、日本国内であれば空気の読めない添乗員ということで非難されるかもしれないが、どう考えても、その添乗員さんにお金を貸してくれというお客様の方が間違っていると思われます。
そこで、私は、ある重要なことに気づきました。
以前申し上げたことですが、パックツアーにおいてビールとか飲物というのは、日本人料金になっていて、現地でメニューを見るよりはかなり高いわけです。
これを回避する方法をそこで学んだわけです。
私は、添乗員さんが事前に言ったとおりに、クレジットカードで払いました。
そうすると、クレジットカードの支払いにおいては、日本人料金を特別徴収するシステムが通用しないようで、現地値段で払うことができました。
次に、日本的サービスはどこまで行っても通用するということを思い込んでいる、困ったお客さんの話です。
ウクライナには、いわゆる『愛のトンネル』というものがあります。
その際、事前に添乗員さんからは、これは廃線ではない、この先は何もない、だから言ったら戻ってくるしかないという説明がちゃんとありました。
だから、私は、行きよりも帰りのことを考えて(海外旅行の鉄則)、集合時間に十分間に合うように、途中で引き返しました。
また、それ以前に、線路沿いの葉っぱ(樹木)が選定されているかどうかをみれば、廃線かどうかはわかるわけです。
ところが、あとさき考えず奥へ奥へと進んで、帰りのことを考えなかったお客様が数名おられました。
もちろん、大幅な遅刻です。
そもそも、添乗員さんから事前にこの奥には何もない、行ったら帰るだけだという指示があった以上は、帰りのことを考えて行動するべきです。
ところが、非常にたまたまなことですが、列車が走ってきたのです。
これも、添乗員さんは事前に説明しています。
ところがその数名のお客様が、ずいぶん切れ始めました。
理由は、遅刻したのは悪いが、一歩間違えば命の危険にさらされる。列車にはねられたらどうするんだと、添乗員さんを攻め始めました。
それは、あなた方が悪いのではないかと、はっきり思いました。
ちなみにその添乗員は正社員であり、関西の一部旅行会社のように添乗員を使い捨てにするような会社の所属ではないから大丈夫だと思いましたが、念のためその旅行会社のアンケートにきちんと書いておいた次第です。
なお、こういった情報は、添乗員協会という添乗員さんたちのHPがあります。
これをご参考いただければよいかと思います。
かなり旅行の本音が書いてあって、例えば、一部の関西の激安ツアーにおいて、添乗員の労働条件が非常に悪いなどと書かれているようです。
詳しくは、ご自身でお確かめください。
