パックツアーには非常にありがたい面もありますし、個人旅行にも良い点はあります。ただし、国際理解を阻害するのはパックツアーだというのは、それをもって海外の文化を理解するのはいけないという趣旨です。
さて現在では、個人化の時代と言われています。
例えば、学校の寮でも、相部屋というのは、あまり好まれないようでして、個室の寮を売り物にしている学校もあるようです。
学習塾においても、個別指導とか個人指導というように、集団指導を受けるのが嫌だという生徒が少なからずいるのも事実です。
昭和の末期ごろまでは、例えば鉄道旅行においては、以前の個室ではない(開放型の)寝台車のように、見知らぬ方々が同じ区画のベッドで寝て、「まあ一杯」と言ってお互いに酒を酌み交わしたりするといったこともよくありました。しかし今や、寝台車を連結した夜行列車はほとんどなくなってしまい、あったとしても団体用の列車か、個室寝台をそろえた列車がほとんどです。
このように、相部屋状態で他人と夜を過ごすということは、この20年来で急速に失われている文化ですが、(一部のツアーでは、)相部屋を希望すれば認めてくれる旅行会社もあります。
第一の利点はなんといっても、一人部屋追加料金がかからないこと。
第二には、この相部屋という文化は、海外旅行においてはとても勉強になることです。
個人的体験ですが、当然、クウェート、バングラデッシュ、アゼルバイジャンに行かれる方で、海外旅行が初めてと新婚旅行で、いう方がまず、いるはずがなく、限られた人です。
またほとんどの方が(すくなくとも私の経験上)、退職した学校関係者が歴史の勉強のため。。。であることが極めて多い。
第三に、日本のパックツアーというのは、朝からいろいろなところに観光、観光で行き、ほとんどホテルは寝るだけの部屋になります。
そして毎日毎日顔を合わせているわけではないから、本当に深夜にホテルについて朝まで寝るだけなら、そう気を遣うこともありません。
また、そういった相部屋という文化を認めている旅行会社においては、相部屋の方に迷惑をかけるような方は最初からお断りすることもあるようです。
相部屋という文化をぜひ残していただきたい理由は、相部屋の方と非常にためになる話ができるからです。
この文で紹介した様々な知識も、経験豊かな相部屋の方に教えていただいた知識もあります。
さすがにバングラデシュやアゼルバイジャン、あるいはクウェートに相部屋で行こうという方は、海外旅行の経験も知識も相当に豊富である。これは合理的に推論できることですね。
例えば、こういうことを教えていただいたことがあります。
ホテルで食事をするために、ホテルの部屋からしばらく出るといった場合に、ある相部屋の方が、こういうことを教えてくださいました。
私が電気を消そうとすると、
「君、こういう時には、電気を消さない方がいい。テレビも、現地の言葉
の番組を小さめの音量でかけっぱなしにしておけばいいのだ」
とおっしゃったのです。
その理由は、部屋の中からテレビの音がすれば、侵入者を防ぐことができるからだそうです。様々な海外旅行における、ありがたくも得難い知識を得ました。
その中で、非常に楽しかった経験を申し上げましょう。
ミャンマーにおいて相部屋になった方は、とある日本で5つの指に入るぐらいの有名公立高校の元校長先生でした。
その時にはある大学の特任教授をされていたのですが、ネットですでに退職されたことを確認したうえで、ここで申し上げます。
その方は、お酒の好きな方でした。そして、焼酎を持ち込み、
「ちょっと君、寝る前に一杯やらないかね」
ということで、私も御相伴させていただきました。
非常にありがたい機会です。
なぜならば、日本を代表する県立進学校の元校長先生と、学習塾の講師が、ステテコ姿とジャージで、一杯飲んでいるわけです。
そこでお聞きした話は、ここでは申し上げませんが、当時問題になっていた未履修問題の件の本音とか、県立高校と県教委の関係とか、具体的なことは差し控えますが、本音で伺うことができました。
本当に貴重な機会だったと思います。
一介の塾講師と日本を代表する名門公立高校の元校長が、同じ部屋でステテコ姿やジャージ姿で、焼酎を飲みまくっているわけです。
大変貴重な経験だと、感謝しております。