2015年
先般、急なことでネパールに行ってきました.
正直、準備不足のため、大変なトラブルに見舞われました。
その内容を説明しますと、定期的に行っている病院に7月下旬に行ったところ、薬は・・・週間分しか出せないという規定があり、お医者様も困っていますから、私がうっかり、
「あ、そういえば8月下旬に海外旅行に行く予定があったような気がしますが」
と申し上げました。
そのお医者様は笑いながら、
「なかなか頭のいい方ですね」
とおっしゃいました。
しかし医師に対して虚偽申告をするということは、私の価値観にはないので、要は本当にいけばいいということで、とりあえずネパールに行きました。
( 大切なお断り 、これは当時 かかりつけ より 頂いている薬に関してのことです。 薬を何ヶ月まで出すかということは 薬や症状状況によって異なりますので 詳しくは 担当の医師にご相談ください)
完全な準備不足でした。
そのため大変なトラブルに巻き込まれましたが、その話は後程いたします。
一方でこういうトラブルに対しては、現地の人が非常に親切にしてくれるということもあるわけでして、ある意味、どんな国にも、表の部分と裏の部分があるのではないかと思います。
ネパールは、マオイスト(毛沢東主義者共産党)が支配する国です。
政府・イミグレなどは 完全に腐敗していました 。
この際、現地の方に非常に助けられたことは事実であります。
この件については、またあらためて詳しく述べたいと思いますが、パック旅行以外でネパールに行かれる方は、必ず日本国内においてビザを取得されること、あるいは、日本国内の信用のおける旅行代理店依頼でビザを取得されることをお勧めします。
これも私にとっては大変大きな経験値になりました。
現地でお世話になった方には、
Travel with trouble is itself travel like human life.
と申し上げました。
さて私がネパールに行きたかったのは、ルンビニからカピラバストゥ、サガルナハといった、ブッダのオリジナルの最初期の遺跡をみたかったからです。
ルンビニはともかく、この辺りはほとんど開発もされておらず、日本から行くツアーはありません。
ルンビニに行くツアーはありますが、その周辺にあるいろいろな小さな仏教遺跡には、個人でしか行けないわけです。タクシーを借り切って行ってきました。
これについては、また機会があれば述べたいと思いますが、カトマンズからルンビニへは、ブッダ・エアというのが通っております。
ルンビニ近くには、バイラワという飛行場があります。
(注:カトマンズからの陸路移動はお勧めしません。)
そしてそのカトマンズからバイラワの空港は非常に小さな空港同士で、日本人はほとんどおりません。
私が行ったのはちょうど雨期だったこともあって、日本人はまったくおりませんでした。
しかし、バイラワの空港で2人の日本人にお会いしました。もちろん、観光客でないことはみればわかります。
そこで出発前の時間に、ちょっとお話をしました。
そして、すごくためになったお話を聞きましたので、ここで紹介したいと思います。
お一人は大学の先生、もうお一人は、ODAとかNGOでネパールの経済発展や災害防止に尽力されている方とお聞きました。
ネパールにおける喫緊の課題としては、土砂崩れが非常に多いこと、地方によればきれいな水が飲めないので、井戸を掘る必要があるのだということをお聞きしました。
私はそれまで単純に、日本の技術をそのまま持っていけば井戸を掘るとか、洪水を防ぐということは簡単なことかと思っていましたが、その点については私の不明を恥じるとともに、勉強になりました。
お一人は、大手重機メーカーの関連会社の方と聞いておりますので、失礼にも私は、日本の掘削機とかクレーンをもってくれば、ネパールに多大な貢献ができるでしょうと言ってしまいました。
そうすると、その方がおっしゃるには、
「私もそう思います。日本の最新鋭の世界でも最も優れた重機、たとえば、ショベルカーとか掘削機を持ってくれば、ネパールの治水はすぐにもでき、洪水や土砂崩れで多くの方が亡くなることを防げます」
しかしその後続けておっしゃったことには、私は初めて知りました。
私の不勉強でした。
「ところが、ネパールというのは内陸国ですから、重機を日本から運ぶことが極めて困難なのです。したがって現地の乏しい機材を何とか日本の技術で改良して、井戸を掘っているのです。もし日本の重機があれば1日でできることを、何とか改造して、1か月も2か月もかけて、きれいな水の出る井戸を掘っているのです」
日本からブルドーザー、ショベルカー、大型掘削機、大型クレーンを当然、ヘリコプターで運ぶわけにはいきません。
持ち込む際には、近くの港から陸路で運ぶしかない。
ネパールは内陸国ですので、空路であれ、陸路であれ他国の領土・領空を通過せざるを得ないわけです。
ところが近隣諸国、とくに中華人民共和国の許可が取れないそうです。
確かに 日本からカトマンズ まで最短距離で行けば チベット自治区の上空を通ることになります。
本当に勉強になりました。
日本の自衛隊は、フィリピンの災害に駆けつけて人道支援をして感謝されているし、ドミニカ共和国でも活躍し、現地の人々に感謝されています。これこそが世界平和を維持する最大の手段だと思っています。
国際情勢は難しいものですが、医療水準の貧しい国において、自分の、赤ちゃんを助けてくれた、自衛隊と医官に感謝しない親はいないと思います。
災害時に自衛隊が人道支援をすることは、内陸国には、一切通用しないということを、私は学びました。
もしネパールで大災害が起きて自衛隊を派遣することになった際には、自衛隊員や支援物資をのせた飛行機は最短経路であれば。中国の上空を通過しなければいけません。 特に後で地図を見ていますとチベット自治区の上空を通ることになります、
日本の自衛隊が中国上空を通過するなどということは、おそらく許可されないと思われます。一刻を争う災害支援で大きく迂回してインドから入るというのもおかしなことです。
日本のアジアにおける経済貢献や様々な人道支援を、日本のマスコミはもっと報道すべきだと思います。
2020年8月追加。 この後本当にネパールで大地震が起こりました。 日本の救援隊はタイ経由で行きました。チベット自治区の上を飛ぶことが中華人民共和国から許されなかったわけです。 空港が整備されていないので最も活躍したのは新型オスプレイです。新型オスプレイという言葉も注意していただきたい。 事故起こしているのは旧型オスプレイです。 マスコミが報道しないだけです。