もともと、旧・電電公社は、電話加入権ということで、当時は非常に高価なお金を払わなければ電話をひけませんでした。
ところが、様々な代替の通信手段が発達してきました。
海外に電話を掛けるにも、スカイプを使えば、事実上無料で世界中にテレビ電話さえかけられます。もちろん、さまざまな電話の形態があり、利用者によってそれをどう利用するかは人それぞれだと思います。
そんなわけで、現在、電話(特に携帯電話)の料金は、極めて複雑なものになっています。
私が個人的に困っているのは、フリーダイヤルしか広告に載っていない番号です。
フリーダイヤルは、地域や時間帯などによってはかけられないケースがありますし、なかには、携帯電話からはかけられない番号もあります。
さて、固定電話は、一切使わなくても地域によって違いますが、まったく使わなくても約数千円の基本料金がかかります。
その一方、皆様ご存知のように、地上回線および他社携帯に対しての定額制ということが導入されています。これは、各社によって多少の料金やプランの内容は違いますが、
私が使っている従来型の携帯電話(いわゆる「ガラケー」)においては、約2200円(固定額)で日本全国の携帯電話や地上回線に何分でも何回でもかけられます。
ですから、若い学生さんに聞いてみると、スマホ1台で電話、デジカメ、ビデオを統一されている方もいます。
特に困るのは、いわゆる官公庁等(例:中小機構)で、ナビダイヤルのように全国一律で有料でかけられる番号しか載せていないところがあることです。
これは全国一律の値段でかけられるのだそうですが、こちらに電話代が課金されることはやはり事実です。
また、フリーダイヤルもしくはフリーコールというものは、決して無料であるとは思っていません。そもそも、電話を受ける側には、大変な導入費・通信費がかかっているわけです。
もし、フリーダイヤル・フリーコールのそばに、地上回線の番号をのせてあれば、私は、そちらの番号にかけます。
そうすればこちらも、無料(本当は定額制)でかけられるのですから、お互いにメリットがあるのではないか。
フリーダイヤル・フリーコールというビジネスモデルは、もはや終焉しているのではないかと考えられます。
現実に、NTTの地上回線の契約数は減っているというデータもあります。
もちろん、なかには、携帯電話やスマホは一切持っていないという高齢者の方も少なからずいらっしゃることは事実でしょう。
ですから、フリーダイヤル・フリーコールを廃止せよなどということを申し上げるつもりは一切ありません。
要は、電話をかける側の選択肢を増やす事と、電話の種類(定額の携帯から無料化・有料か)を明示してほしいのです。
さらに、最近ではスマホで、東京03で相手に電話番号を表示させるアプリもあります。
携帯電話の定額サービスというのも、いろいろ問合せてもよくわからない点がありまして、みなさん御存知のように、定額になるというのが何々・・・等と書いてあって、本当に複雑になっております。
そうすれば、確実に定額でかけられるのは、地上回線であります。
民間企業において、フリーダイヤル・フリーコールをのせるのはもちろん自由ですが、その側に地上回線の番号をのせていただければ、私はもちろん、そちらにかけます(フリーダイヤル・フリーコールは無料ではないと考えておりますので)。
そうすれば、大手企業においては、数億円程度の経費節減になり、お互いプラスになるのではないでしょうか。
これはあくまでも電話を掛ける側に選択肢を与えていただきたいという趣旨であり、フリーダイヤル・フリーコールを廃止せよとか、IP電話やナビダイヤルを廃止せよという趣旨ではありません。
これからの企業のHPには、電話番号を複数に書いて、その電話番号の種類(フリーダイヤル、IP電話など)を明記すべきではないでしょうか。
私が学生の頃(30年以上前)には、固定電話をひくということは大変お金のかかることでした。
現在でも、電話加入権ということで、帳簿には資産として計上されている事実があります。
しかし、時代は大きく変わりました。
そこで、地上回線の利用者が減少しているということに関して、建設的な提言があります。もちろん、旧・電電公社が、海底ケーブルを敷設して日本全国津々浦々、電話のやり取りを可能にし、山間の僻地に至るまで電話がつながるように努力してきたことには、大いに敬意を表します。
そのおかげで日本中どこでも電話がかかるようになっていますが、これは世界中でもまれなことです。
しかしながらその一方で、スカイプとかラインとか、様々な伝達方法が新たにできています。
そのため、地上回線の存在意義はだんだん失われてきているように思われます。
私の地上回線は、着信専用にしております。
理由は今申し上げた通り、携帯からは日本全国どこに何分かけても同じ値段だから、わざわざ電話代を課金される地上回線を使う必要性がないからです。
では、旧・電電公社が多額の費用と労力をかけて作り上げた電話網を、今後どう処理・活用していけばよいか。
そのことについて、建設的な提言があります。
日本国内のみで通用する(海外へのアクセスを物理的に遮断した)イントラネットに利用することです。
皆さんも経験があるかと思いますが、クレジットカードの利用状況、銀行のネットバンキング、ブログの利用に関して、これは、やむを得ないこととはいえ、暗証番号や認識番号の入力があまりにも複雑で分かりにくいという経験をお持ちの方も多いでしょう。
そこで、旧・電電公社が日本国内に張り巡らせた固定電話のインフラを、これに利用したらどうでしょうか。
つまり、完全に日本国内でしか通用しない、イントラネットを構築するのです。外国からの侵入を完全に遮断することは物理的に可能ですから、海外からのサイバーアタックに対応することができるのではないでしょうか。
それじゃあ、海外で利用するクレジットカードとか、国際電話をかけたときの決済はどうするのか、という問題もあるでしょうが、私が提言しているのは、選択肢を増やすというだけのことです。
インターネットの良い点も悪い点も。国境を超えるということです。ならば、国内だけのネットと国際的なネットの二つを用意すれば良いのです。
そもそも、すべての日本国民が海外との取引をして、国内外を問わずインターネットでホテルなどを予約するというわけでもありません。
現在のインターネットはそのままにして、固定電話のインフラを活用して日本政府公認のイントラネットを構築するのです。
そして、許可された銀行や通信販売業者、ネットバンキングといったものに対して政府が責任をもって参入・利用できる業種や業務を法令で限定し、監督官庁に指導させます。
利用者は、ICパスポートとか、ICチップ付の自動車運転免許所を使って、そのイントラネットにアクセスすればよいのです。
これだけ通信事情が複雑になっている今日、業者にとっても利用者にとっても、選択肢を増やすことが肝要ではないでしょうか。