40年前は、新しい家電や料理店の評価といったことは、特別な評論家しか世界に発信することはできませんでした。一般の人は、雑誌や新聞などの投稿を通じて発信するのが関の山でした。
しかしながら、インターネットの発達に伴い、誰もが匿名で料理や製品の評価をでき、それを世界に発信できるようになりました。
たとえば、食べ物(非常に主観性の強いものです)について、誰もがその評価を書き込めるネットの掲示板をみてみましょう。
一見もっともな評価から、これはないだろうという書き込みに至るまで、さまざまな書き込みがなされていますけれども、よくよく考えてみれば、これを書いたという人物は、本当に食べて書いているのか、という証拠すらもないわけです。
なかには、店員の態度が悪かったとか、値段が高かった、などという書き込みも数多くありますが・・・・・
「店員の態度が悪い」という記述は、100%書き手の主観です。
もしかしたらその書き手が勝手に写真を撮影したりするなど、無礼なことをしたがために、店員の態度が悪かったのかもしれません。
例えばメニューに中華そばと書いてあるのに「ラーメン」と注文することは商売人の家で育った自分には考えられません。
「値段が高い」という趣旨に関してはどうでしょう。
店の表看板やメニュー表、さらにはHPにさえも、餃子がいくつでいくら、チャーハンがいくら、それぞれのメニューの値段は全部書かれてあるわけです。お店に入ったら値段が、外に表示しているものと違ったというのなら、ネットに書き込む以前に警察に行けばよいのです。
その価格が高いと思おうが安いと思おうが、あるいは適正だと思おうが、そんなことは書き手の主観に過ぎません。
にもかかわらず、それを食べた後に値段が高いなどとネット上に書いているのは、いかがなものでしょうか。
さて、電化製品について、これまた、何の資格も教養もなくとも、誰もが書き込める電化製品の評論がありました。(アマゾンのレビューをご参照ください)
その中で特に2点、私が納得のいかない点がありましたので、ここで述べます。
本当にその書き込みが理不尽なものであるか、あるいは私の指摘がおかしいかについては、御自身で判断してください。
ひとつは、アイリス・オーヤマから発売されているIHクッキング調理器です。
これは単層100Vで、一般家庭の電源で、特に工事をすることなく使えます。
この製品については、以前、実家の80歳を過ぎた両親に安全のためにプレゼントをした経験があります。
少なくとも、ガスコンロのように火を使うものよりは安全だと思われたからです。
ところがあるインターネットのサイトには、その製品がひどく悪く書かれていました。
その内容というのは、
「動作音が大きすぎる」。「すぐにピー。ピーとなってうるさい」
ということでした。
その趣旨の書込みのなかには、安アパートでは、夜間には隣の人に気を使って使えないというものもありました。
しかし、安アパートに住んでいるとか、どこに住んでいるかということは、書き手の個人的な事情に過ぎません。
個人的な事情を、製品そのものに対する評価に関わらせるべきではありません。
さてこの商品、確かに火を使わない安全なIH調理器ではあるが、これは天ぷらを揚げたり、炒め物をしたりすることもできます。
この商品に限らず、そういった機能を持つ製品が、ほとんど音がしないものだったら、どうなるでしょうか。
スイッチを入れて、実際にそこでお湯を沸かす、焼き物を焼く、炒め物をする・・・・・そういった時まったく音がしないほうが、危険ではないでしょうか。
もうひとつの商品の例を挙げます。
こちらはフィリップスの製品で、ノンフライヤーというものです。
これも私は使っていますが、多くのネット上の電化製品を評論するサイトでは、
1 大きすぎる
2 音がうるさい
この2つが、あたかもその製品の欠陥であるかのように書込んでいる人がたくさんいました。
まず1について。
そもそもこの製品は揚げ物をする際に高温(200度以上)の熱風を使って油を最小限に抑えて揚げるという製品です。
そういったものがもし小さくて軽ければどうなるでしょうか?
ちょっと子供がぶつかっただけでひっくり返るとか、軽い地震が来ただけで転倒する・・・・・
そうなれば、内部の温度が200度を超すフライヤーの部分が簡単にひっくり返ることになります。
これは危険なのではないでしょうか。
だから、大きくて重くて重心が低く、ひっくり返らないようにしているのではないか。
2について。
すでにアイリス・オーヤマの製品のところでも言った通りですが、温度が200度を超えて、揚げ物をする製品は、目を離すと危険です。
知らない間にスイッチが入っていて誰も気づかない・・・・・
こんな危険なことはありませんね。
となれば、このような製品は大きく、重く、なおかつ、動くときには大きな音がするのは当たり前ではないでしょうか。
尚こういったクレームを抑えるためには、もともと、いかにも重そうな電子レンジのような外見にすればよかったのです。