私は医療のことはわかりませんし、素人ですが、この本の中に首をかしげるところがありました。


UBQ数理フォーラム代表:長山豊のブログ



大往生したければ医療とかかわるな~「自然死」のすすめ 中村仁一著、幻冬舎新書(2012)、P180~181より





「以前は正常値といわれていましたが、今は基準値とか基準範囲といわれます。

さて、この基準値ですが、健康人の95%が含まれる側に設定されているのです。つまり、健康であっても5%の人は、はずれているわけです。換言すれば、はずれたからといって、すぐ「異常だ」「健康ではない」とはいえないシロモノということです。

おまけに、この基準値は、若者のそれだということです。したがって、年寄りにあてはめるには、いささか問題があるということになります。


また、検査項目が一つということはありません。ふつうは複数です。

基準値が、健康人の95%が収まる範囲とすると、理論的には、2項目とも基準範囲に入る確率は、0.95の2乗で90.25%になります。5項目だと77.37%、10項目だと59.87%(健康人10人のうち4人強はどの項目かが基準値からはずれる)、30項目も検査すれば21.4%になり、約8割の健康人が、何かでひっかかる計算になります。


2011年8月19日、日本人間ドック学会が発表した、2010年の人間ドック受診者、約300万人の全国集計成績によると、「異常なし」は過去最低の8.4%だったということです。しかし、前述のことを考えると、「むべなるかな」と申せましょう。」(引用終)






さて、検査値というのは、確率でしょうか?また、健康に不安があるから人間ドックを受けるのではないでしょうか?若者はあまり人間ドックをうけないのでは・・


中学校での確率の定義によって「同様に確からしいn人の受診者さんがいるうちから、b人」が基準値から外れるのでしょうか?


そもそも、血圧が高いとか、尿酸値が高いとかいうことは、確率的なことでしょうか?




原因があってのことですから、これは私には確率とは思えないわけです。



次に、検査項目の数だけ掛けるということについては、サイコロを続けて2回振るような独立試行では、確率における積の法則が成り立つことになっています。


しかし、各検査項目というものが独立なのでしょうか?


そうは思えません。


素人判断でも、体の具合が本当に悪ければ、いろいろな検査項目は、関連する項目は、正の相関関係を持って基準値から外れるでしょう。




なお、知り合いの医師に聞いてみたところ、このようなことをおっしゃいました。


「その本は読んだことがありませんが、その記述が検査項目にこだわるなという趣旨であれば認めるが、それ以前の問題として、検査項目の数字だけで病気であるとか健康であるとか決めるのではありません。それならば、コンピューターでプログラムを組んで、それに入力していけばいいことです」





さてこの論理は、以前にも聞いたことがありまして、ある医師の著書で読んだことがあります。


その医師は最近、「癌(や病気)になってもほっておけばいい、病院など行っても無駄である」と言って、末期癌の診断を受けても10年、いや20年生きているなどという体験談をいくつも掲載した本を出しているそうです。





ここで、昔からある有名なジョークを思い出しました。



スカイダイビングで、飛行機からパラシュートで飛び降りるお客様がいました。

そのお客様が、「このパラシュートは本当に開くのですか?大丈夫ですか?」

ときいたところ、そのパラシュートを製造した会社の担当者はこう回答しました。


「大丈夫ですよ。今までパラシュートが開かなかったというクレームを、御本人様から頂いたことはありませんから」