東京大学で、次のような問題が出ています。以下は100%、私のオリジナル解答です。

 


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 これは、簡単に言えば、円の周りに三角形が一定の向きを保ったまま一周したら、その部分の面積はどうなるかという問題です。

 

 

 

 

 

この問題を解く際には、

 

1.通過する領域の面積を求めるために、通過する領域の正確な図を描く。

2.計算して、その面積を求める。

3.極限を取る。

という過程になります。

 

しかしながら、この1.から3.で最も重要なのは、1.の通過する領域を正確に書くということになります。

 

通過する領域がわからないと、計算ができないのは当たり前ですね。

 

ところが、いろいろな問題集を見ても、通過する領域はこうなりますよということが書いてあるだけで、なぜそうなるかということは、書いていないようです。


 


 

 さてここで、一辺がaの正三角形の周りに円が転がる部分を考えてみましょう。

 これでしたら、中学受験の標準的な問題です。


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そうすると、このように一周して面積が求まります。

 

 


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これがなぜ、最初の東京大学の問題に結びつくかというと、運動は相対的なものですから、円の周りに三角形が回転しようが、三角形の周りに円が回転しようが、同じことになります。

 

 

 この東大の問題で難しいのは、三角形が頂点で円に接している場合には、円を描いて三角形が動くことになります。

 

辺で接している場合には、三角形はスライド(平行移動)することになります。

 

 この見極めと場合分けが、この中学受験の問題の見極め・場合分けとまったく同じということにお気づきでしょうか。

 

 

3つのパターンが2通りで、どちらも6つの部分に分けて考えればよいのです。その、境目は、上の問題と同じように三角形の辺のエッジと半径が直角のところですね!



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 この問題で考えれば、スライドする部分は正三角形の一辺の長さaの部分だけスライドすることがわかりました。そしてそれは3カ所あるということがわかりました。

 一方、回転する部分は3カ所ある。

 その角度をそれぞれα、β、γとすると、

 

α+β+γ=360°

 

となるということは、中学受験の算数でわかるはずです。


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ということは、もとに戻って、東大の問題も、スライドする部分が3カ所(平行移動量a×3)回転する部分3カ所(α+β+γの合計360°)の6つの部分に分かれることがわかりました。

 

さてここで、α+β+γは、正三角形に関わらず360°になります。

 

それは、中の三角形を無限に小さいものを考えてみます。

あるいは、無限に遠くから眺めたという風に考えてもいいでしょう。

そうすれば、この部分は当然、α+β+γ=360°となりますね。



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さてそうすると、極限というのは、以前から申上げているように、東京大学が意味のない極限値を求めさせる問題を出すはずがありませんから、もし、円が無限に小さくなったならば、正六角形になりますから、当然、極限値は6です。

実は、このことを逆に考えると、この東京大学の問題は、30秒で解けるのです。

 
中学受験でよくある問題の裏返しなのです。

 



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 正六角形の中にある無限に小さな円が膨らんだというイメージをしましょう。

 

 そうすると、その6つの正三角形は、6つの方向にそのまま押し出されます。

 


 そして、その間の図形は、上の部分を切り取って下におろせばいいわけです。
長方形になります。

 


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これから考えれば、答えは、1辺がaの正三角形と、底辺がaで高さがrの長方形、これが6つ集まったものになります。

 

 したがって解答は、{(√3/4)a²+ar}×6 になります。

 

 

 

 

 

なお,雙葉中学2019年入試参照ください。