(これも。昔の話。直接お聞きしたが記憶であって真偽は定かではない)
哲学者の沢田允茂先生は慶應義塾大学の通信教育部の責任者であった。私が大学生であった時には、優秀な方で、若いころ、戦争・戦後の混乱期で大学に行けなかった方が多く、そういう方が、平和になってから40代・50代で通信教育部で学ばれていた方が多くいたそうだ。
本来。東大や京大にトップクラスで合格できたはずの方が、進学を断念されて、やっと、ゆとりが出てきてから、通信教育部で学ばれていたのだから、向学心が違うとの事で、随分、通信教育部の講義(スクーリング)を楽しみにしている。
そう(昼間部の)授業中で言われていたのは、我々アプレ・ゲール(死語)への戒めであったのであろう。で、UBQの生徒に何が言いたいのかというと:お前ら!親から金を出してもらって塾や高校・大学に行けるだけでも有難いと思え!やる気が無かったらすぐやめろ!この親不孝者!
これは、はっきりと記録(写真)が残っているのだが、スクーリングのために、上京した学生の中には教室で寝泊りされている方もいた。(旅館に泊まるお金が無い)沢田先生が自宅を提供してスクーリング生を宿泊させてたというのも、このことを知ったうえで理解しなければならない。
上記資料よりの写真
・説明文に同宿者とかいてあり、明らかに教室に洗濯物が干してある。毛布等がある。
さて。閑話休題。医療のテーマでしたね。
ところが、当時、財務担当の理事が通信教育部は学校法人の経営を圧迫するので。廃止すべきだと言い出したそうだ。
カチンときたが、そこは高名な哲学者。反論を心得ている。
「まさにその通りです。それでは財務改善のためには、もっと良い提案があります。慶應義塾医学部と付属病院を廃止したら良いのではないですか?」
さすがに、その場におられた教授は沈黙せざるを得なかったそうである。
