問題 まず、図を見ていただきたい。
四角柱を切断したものである。
☆家の柱は木でできているから柱、刺さるように先がとんがって作っているからやじりは金属製、だから先がとんがっているのが三角錐とか四角錐☆
この体積は、底面積×高さの平均で求められる。
この公式は、中学受験のための塾に通えば、誰もが習うことである。
ところが、公式だけを習ってくる人が多い。
なぜ成り立つのかとたずねると、同じものを重ねれば2倍になるからだと答える。
今回は、この公式がなぜ成り立つかを説明しよう。
* 当ブログの性格上、数学的な厳密な証明ではなく、あくまでも中学受験生に説明するための概略であることを御了承ください。
下の様な展開図を2枚用意しよう。
これらを、同じ方向に向けて折って上のような立体を組み立ててみよう。
展開図1
組み立てると、下のようになる。
組み立てられた立体1
この二つを、実際に重ねてみよう。
重ねてみると・・・・・
重ならない!!展開図2
今度は、上のように並べてみる。
つまり、片方の展開図は裏返しになっている。
では、組み立ててみよう。
組み立てられた立体2
このように、鏡に映したような立体ができる。
これを、重ねてみよう。
重ねてみると・・・・・
ぴったり重なります。
これで、公式が成り立つのがおわかりですね。
(注)教員・保護者の方への補足
三角形の合同は中学校で習う。
広辞苑によれば、合同というのは「二つの図形が重ねると全く一致すること」とある。
問題は、重ねる方法である。
平面上に三角形とその三角形を裏返しにしたものを置くとき、平面上で回転変換(*)および平行移動をどんなにしても、重ねることは不可能である。
いったん三次元空間に三角形を取り出して片方を裏がえすと、重ねることができる。
したがってこの二つは、三次元空間を介することによって合同といえる。
同じように、組み立てられた立体2で紹介した立体どうしは四次元空間を介することによって、合同であるといえる。
ここでは中学受験の話なので詳しく述べないが、光学異性体やキラリティー(chirality)という言葉をお調べいただきたい。
(*)ここでの回転変換は単にある点を中心に座標平面上で回転させるという意味であり、行列式が負になるような回転変換ではない。