中学校では、放物線のグラフ、すなわち2次関数 y=ax² というものを学習します。

 

正確には、2次関数の特別な場合のみを習いますから、2乗に比例する関数と書いてあることが多いです。

この2乗に比例する関数、y=ax²(a≠0)というものを考えます。

 

ここでの問題は、このaは何を表しているのか、つまり、放物線の何を決めているのかということです。

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たとえば、y=2x²とy=x²のグラフを見てみるならば、上の写真のように、グラフのとがり方が鋭く、または鈍くとがる、あるいは、幅が広くなったり狭くなったりするように見えます。

 


さて、このグラフを、別の見方をしてみましょう。

 

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このようにみると、y=2x²のグラフを原点に関して拡大したものが、y=x²のグラフに見えませんでしょうか?


そこで、計算をしてみましょう。
 

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つまり、上の証明でわかったように、y=2x²のグラフを、原点を中心に2倍に拡大したならば、y=x²のグラフとなることがわかりました。

 

このように、拡大して重なるということは、すべての放物線は相似の関係にあるということが分かりました。


 


y=ax²とy=bx²は、相似比が1/a:1/bの相似な図形なのです。

 

さてここで、鹿児島ラ・サール高校で出題された問題を見てみましょう。


 

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この問題では、y=xとy=ax²の交点と直線の関係ですから、今の理屈を考えれば、三角形OPRと三角形OQSは必ず相似になるわけです。

そして、y=ax²とy=x²の係数はa:1で、相似比は1:aになりますから、この問題の(2)は、たちどころに解けるわけです。

 

 

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例1、例2とも、この赤で書いた三角形が相似になるのは、もともとの放物線が相似であることによるものであります。

 

これらの問題は、鹿児島ラ・サール高校や灘高校などにおいて出題されています。

 

 

ただし、例2の場合に補足しますと、この場合は裏返しの関係の相似になりますから、マイナスの相似比や面積を考えることによって、さらに高校入試問題の見通しが深くなりますが、これは中学校では負の面積というものを考えませんので、ここでは省略いたします。

 

 

さて次に、「合同か相似か」という話。

つまり、放物線というものは無限に伸びているわけですから、無限に大きな図形の大きさを比較するというのは少し難しい問題になります。

ですから、放物線は合同であるという見方もできます。

 

しかしながら、塾の指導現場では、私はこう教えております。

 

概念として無限に大きな図形そのものは合同である。しかし、現実の入試問題では、その一部を切り取ったものしか出題されませんから、相似比を考えて解答を得ることができる、となります。

 

ところで、この放物線の相似または合同について、UBQの授業で説明すると、中には面白い生徒もいて、こちらも大変ためになります。
あるときのことですが、この話をすると、やおらプリントを折って、写真のような、筒に似たものをつくりました。
その中学生は、「筒」をのぞいて、
「要するに先生、こういうことですね」

と言いました。


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「筒」をのぞいたら、びっくりしました。半円の形に「筒」を折ると、こういうふうに見えるときがありますね。
半円の筒をつくると、入り口の部分と出口の部分が見えますから、それをうまく重ねてのぞくと、このように見えます。

 

 

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