2012年5月オリジナル


アルメニアが人類発祥の地であるかはともかく、キリスト教受容の原点であることは歴史上、間違いない。



UBQ数理フォーラム代表:長山豊のブログ



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(バチカンよりも古いエチミジアン教会。入り口は最近になってつくられたもの)


アルメニア語に聖書が翻訳されたのはマルチン・ルターのドイツ語訳より千年早い。欽定訳よりも早い。


アルメニアがキリスト教を国教としたのは、ミラノ勅令よりも、前のことだ。

ここに初期キリスト教の遺跡が残っているのは事実である。


一般にキリスト教はバチカンの権威を認め、ローマ法王をキリスト教世界の最高指導者と考える立場と、ローマ法王の権威を認めない立場に分かれる。


「ローマ法王の権威を認めない」というと喧嘩でもしているのかと考えていた自分の不明を恥じた。


アルメニア正教会というのは無い(グレゴリウス派というのだそうだ)との説明も受けた。カルケドン公会議よりも先に国教としているからだそうだ。日本で書かれている神学の歴史書とは違う。


ローマ帝国がキリスト教を公認したのよりも、国教としたのよりも、アルメニア教会の方が古い。カトリックとかプロテスタントとか正教会とか後からできたのだから「権威を認めない」とか「正教会」という言い方はおかしいのだそうだ。


Wikipedia にもアルメニアキリスト教は非カルケドン派と書いてありますがカルケドン公会議よりも古いんですから。


そこで、重要な質問をしてみた。


「ローマ帝国がキリスト教を受容したのは、アルメニアの影響があったとお考えですか?」


「もちろんです。ヨーロッパのキリスト教の受容はここから始まったのです。日本に同志社大学があるのも、上智大学があるのも、アルメニアのお蔭なのです。アルバニアがキリスト教を認めなければ、今の世界にはアメリカ合衆国は存在していません」


との答えであった。


随分と乱暴なたとえで申し訳ない。

広島で「広島風お好み焼き」というと叱られた。お好み焼きというのは広島が本家だから、そんな表現はおかしいとの事。


以上はアルメニアできいた、一つの意見であることはもう一度確認しておく。色々な意見や解釈があることを聞くために海外に行く価値がある。

そして、それが日本では伺えない意見であれば最高に興味深い。


世界中には、色々な考えがあることを理解することが国際化教育の基本であると考えるので、ここに紹介したことをご理解いただきたい。


念のため、もう一度。


外国において、現地のガイドのお話を聞く際には気をつけないといけない。たいていの国では、国家資格であったり,政府のライセンスがいる仕事である。当然、自国の文化・歴史の優越性・正統性を強調し、都合の悪いことは言わないからだ。

特に、繰り返したのはネットで検索して、一部だけを見られると、真意が伝わらないからだ、ブログの一番上に「すべて見てください」と書いているのもこのためだ。