直稜四面体・・・・・向かい合う辺がすべて直角である四面体
垂心四面体・・・・・垂心が存在する四面体
等面四面体・・・・・各面が合同な三角形でできている四面体
これらには様々な興味深い性質が存在します。今回は東京大学出題(1996後期)のものを取り上げてみます。
(1)のPQの長さは中線定理を使えば中学生の範囲で求められるので割愛します、このPQの長さを求めさせている以上。四面体の向かい合う中点を結んだ残りの2本の線分に注目しましょう。3回計算してはいけません。一つ出れば機械的に残りの2つは置き換えれば出ます。時間が足りないのは無駄な計算をするからです。早い計算のほうが計算ミスが少ないのです。
面が鋭角三角形であれば直方体に組み込むことが出来るという性質があり、証明は京都大学で出題されていますが、せっかくですから東京大学の誘導にのって解いてみます。
実際に展開図の上に折って組み立ててみましょう。
注。この場合内向きに折るか、外向きに折るかというのが、東京大学の答案作成の技法(数学的な本質は変わらないけれど答案で一言説明しておきましょう)の指導基本です。
合同な三角形を並べると平行四辺形になりますのでPQの線分は中点連結定理でRZに平行で半分の長さになります。
ZYの中点はZ,R.Yから等しい距離にありますから、角ZRYは90度になります。(四谷大塚予習シリーズ旧版小学生5年単元:厳密には逆が成り立つことの証明が必要です。転換法がベスト。ただ、小学レベルの算数では、まず逆は成り立ちます。理由は一つしかなくて、かつひとつあるからです。)長方形の対角線を示すことにより証明できます。中学生では直径に対する円周角は直角)同じように、角YRXと角ZRXも直角になりますので
頂点Rに3つの直角(3面角)が集まることになります。
求める四面体の体積は直方体の体積をもとに考えましょう
ZR・YR・XR÷3÷6÷4となります。(直方体の体積から錐体で3で割る。半分だから2で割る。底面積は4等分で4で割る)
これに例えば
ZR=2QPを代入すれば良いのです。
このことから、
「等面四面体の向かい合う辺の中点を結んだ3本の線分は直交する。」という性質を使うのが東京大学の出題意図と考えられます。
さて、ここで算数の時間に
ひし形の面積は対角線×対角線÷2
という公式を習いましたか?なぜですか?対角線が直角が交わるからです。ひし形だからではありません。凧型(たこあげの凧)と教えているのはこれが理由です。
この公式の立体バージョンのちょとした応用問題でしたね。


