① no more than ~
② no less than ~
③ not more than ~
④ not less than ~
これらの4つの言葉も、機械的に覚えるものではなく、論理的に分析して覚えるものですね。
比較級の直前の部分は比較の程度の差を表すものである。
という、重要な論理を頭に入れましょう。
例文 He is three years younger than I.
訳 彼は私より3歳若い。
この文の three years の部分は、young=若さの差の程度を表しているわけです。ですから、若さの差の程度で、彼は私より若く、その差が3年だというわけです。だから、彼は私より3歳若いという意味になるのです。
このことを踏まえて、最初に挙げた①~④の4つの意味を考えてみると、これらが機械的に覚えるものでないことがわかります。
まず、③と④は熟語ではなくて、単に more than やless than の否定ですから、
③ not more than ~ ~より多くない
④ not less than ~ ~より少なくない
と言っているにすぎません。
問題は、①と② です。
これらに、それぞれ、100円という表現を加えて考えてみましょう。
① no more than 100yen
② no less than 100yen
前者は、「100円より多い差が0である」という意味になり、後者は、「100円より少ない差が0である」という意味になり、客観的にはどちらも手元に100円あることには変わりない。
これらはその100円という客観的な量を上から見るか下から見るかの違いだから、
① は、「100円より多いと思っていた。ところが財布をあけてみると、100円より多い差が0であった。思ったより多くなかった」。したがって、
「100円しかなかった」
という意味になります。
② は、「100円より少ないと思っていた。ところが財布をあけてみると、100円より少ない差が0であった。思ったよりは多かった」。となれば、
「100円もあった」という意味になります。
①も②も、noの部分が後ろの単語の比較の差を示していることを理解すれば、論理的に理解できるわけであって、決して、丸覚えするものではありません。
さらに、
The + 比較級 ~, the + 比較級 ・・・.
という構文も同じであって、このtheは冠詞ではなくて副詞で、「その分」という意味ですから、
その分より~になれば、その分より・・・である。
という意味になります。
例文 The more he looked at her, the more he liked her.
訳 見れば見るほど、彼は彼女が気に入った。

