前回の続きです。
同じく京都大学1993年度の英文解釈の問題より。
They come under the influence of forces ・・・(以下略)
ここで、forcesが複数形になっていることに注意してください。
すぐに複数個の力を見つけられるでしょうか?
京大受験生なら、ファン・デル・ワールス力とか、クーロン力、重力などが思いつかなければいけません。
この例でお分かりのように、大学受験の英文は、例えば京都大学に限ってみても、
・ ニュートンの分光実験とスペクトルの発見(2006年度)
・ ビュフォンの針(2005年度)
・ 蛍の集団発光メカニズム(2005年度)
・ 進化論と言語(1998年度)
・ ガリレオとハリオット(1997年度)
・ 脳の構造の比較ー人間と動物(1989年度)
のように、理科系の知識を要求されている内容の文章が数多く出題されています。
これはあくまでも個人的な意見であるが、少なくとも難関大学の英語は理系科目であると、私は考えております。
もう一つここでご説明があります。
UBQでは、英語の読解の際には、訳をノートに書きだしてきてはいけないという指導をしております。
例えば、学校ではよくあることだと思いますが、教科書を事前にノートに訳してくる、そして授業で指名されたら、そのノートを読み上げる、この勉強法だと、最終的な結果としての訳のみを比較することになり、そこの訳に至るまでの論理がおろそかになってしまいます。
簡単な例を挙げます。
after school を 「学校の後で」、と訳してきた生徒がいるとします。
これを授業で教師が、「放課後」、と訳したとします。
それを聞いてその生徒は、「学校の後」を赤鉛筆で、「放課後」と直します。
それでは、なぜ「学校の後で」が間違いで、「放課後」が正しいのかという論理が分かりません。
答えは、前回、説明したように、
school に冠詞が付いていないからです。ここでは学校の機能、つまり、授業を指すのです(広義には、ホームルームとか、掃除とか、給食とか学校の指導下にあるすべてのものを含むのです)。
ですから、after school というのは、学校の管理下にある状態が終わった状態を示すのです。
だから、「放課後」と訳すのが正しいのです。

