朝日新聞(20011年6月2日)に次のような報道がなされた。
以下引用
これまでは、地歴と公民から各1科目、理科は3グループから各1科目を選ぶ方式だった。来年からは、地歴と公民は計10科目から2科目を選べる。ただし、日本史Aと同Bなど、同一分野は不可。理科はグループ分けをやめ、計6科目から2科目を選べる。試験時間は、1科目だけ受ける場合は1時間、2科目の場合は、1科目目の解答用紙の回収後に2科目目を配布するため、計2時間10分だ。
問題が指摘されているのは2科目受けるケース。地歴、公民、理科はそれぞれ全科目で1冊の問題冊子となっている。このため、「本命」を1科目に絞った受験生が2科目出願し、実際は「本命」の問題を解くのに2時間かけることが可能になるという。
大手予備校河合塾の担当者は「解答用紙を回収しても、問題用紙に答えを書き込んでおくことができる」と指摘。また、駿台予備学校の担当者は「『非本命』科目を受験する生徒が増えて低得点が続出すれば、平均点のぶれが大きくなる。得点調整にも影響する」と心配する。
同センターの担当者は「合否判定に1科目の成績しか利用しない大学にも2科目の成績と受験した順番を提供するので、歯止めになると考えている」と話している。
(引用おわり。下線部・太字は引用者が付けた)
裏ワザよりも問題なのは下線部のコメントである。
「歯止め」とは何を意味するのか?
願書や入試要項・HPに明示してあるセンター指定入試科目でない科目の成績も合否に影響する場合もありうるという意味なのであろうか。
センター試験の段階では2次の出願大学を決めていない受験生も多いから、なるべく多くの科目を受験することは通例である。
生物と化学で受験したものが、センター試験の受験後に、例えば生物1科目指定の大学を受験すれば、化学の点数は全く合否に関係ないと考えるのが当然であろう。そうでなければ不得意科目を苦労して勉強して受験したものよりも「捨てたもの勝ち」になってしまう。
そもそも、なぜ願書に明記している受験科目以外の成績が大学に送られるのか理解に苦しむ。合否の判断に影響する可能性があるとの含みのあるコメントである。
受験した順番を提供するとあるが、それならば、
1科目目で大失敗をして、2科目目で心機一転して取り組み高得点をとった受験生は1教科指定の大学を受験すれば、1科目だけ受験した生徒に対して不利になるのか?
対策としては、受験生は理科2科目受ける場合は得意科目を先に解答しなくてはならない。裏ワザを使ったと誤解され「歯止め」で不合格にされないようにである。
(注)センター試験本部の実施要項を確認したが理科については解答の順番が明記されていない。→センター試験実施要項
いずれにせよ、センター試験本部は、この問題に明快な説明をしたうえで、すぐに「裏ワザ」対策を取るべきである。
(注:昨日、発表されたばかりなので以上の指摘は速報である。今後さらに吟味・検討を加え、必要に応じて当ブログで発信する。)

