UBQ数理フォーラム代表:長山豊のブログ


再生医療に関して、上のような「医療費が増える」という懸念が、ある新聞に載っていた。


どうも「ものの値段が上がる」ことに関する根本的な誤解があるようだ。


ガソリンが110円から140円に上がれば物価は上昇したといえる。

ガソリンはガソリンであって、もの自体はいっこうに変わっていない。

だからガソリンの値段は上がったといっても差し支えない。


卑近な例をとる。


最近、パソコンを買い替えた。以前のパソコンはメモリー1GBでHD80GBで15万円した。今度のパソコンは、思い切って高いものを買ったので20万円したが、なんといっても2TBに6GBのモンスター・マシンだ。COREi7950搭載だから、以前苦労したUBQの講義録画のDVD変換が、前のパソコンでは数時間かかったものが、数分で終わってしまう。


前に買ったパソコンは15万円だが、今度は20万円したから、パソコンの値段は上がっているといえるでしょうか?


もう一つの卑近な例を。

初めて買ったVHSのビデオ・テープは一本2000円。いま遥かに高画質のDVDは一枚、数十円で売っている。あのころ家庭用の、今から見ればおもちゃのようなビデオ・カメラが20万円したが、今は数万でハイ・ビジョン・カメラは買える。今では20万円も出せば、昔、何千万円出しても買えないような最高級のビデオ・カメラが買える。


物の値段が上がるというのは2種類ある。土地やガソリンのようなものは、物自体は全く進歩していないが、

科学技術が進歩して同じものなら髄分安くなっているのに、技術が大幅に進歩して、総額が安くなったように見えないものもある。もちろん医療技術は後者に属するものである。


200年前の医療水準で良いのなら、国民の負担する医療費は、ただ同然になるであろう。もし、現在普通に売られている医薬品のいくつかをタイムマシンで100年前に、持って行って売ったなら、世界中の王侯貴族は数十億円どころではない。巨万の富を積んでも求めるであろう。


だから医療技術の進歩を考えれば、医療費は途方もなく、安くなっていると考えるべきであるというのが私の主張である。我々は医療の恩恵の有難さを忘れていはいけないのである。


*薬物の乱用だとか不死身がどうのこうのというには論評にも値しない稚拙極まりない意見なので今回は、言及しないでおく。先端医療をゲームを引き合いに出して論じるのはSF映画の観過ぎ。