2020年1月

塾を選ぶ際に保護者が希望する事は様々である。その事に異論は無い。





塾をお探しの方は塾に対する希望をノートに書き出して


みてください。


・優秀な先生が教えている


・授業料が安い


・クラスの人数が少ない


・自分の好きな曜日。時間が選べる


・家から通うのが便利 駅前の便利なところの学習塾が良い


・休んだ時は補講をしてくれる


・いつでも教育相談に乗ってくれる


・部活に合わせて授業の振り替えができる






・・・・・・等々、あるでしょう。次にその書きだしたものでるものがあるかを考えていきましょう。


相矛盾するものがありますね。


簡単に言えば


こちらを立てればあちらが立たずというものです。


マンションだって交通が便利の良い所と交通が不便なところでは交通の便利の良い方が必ず高いわけです。


狭いマンションと広いマンションで広いマンションの方が安いということはありえません。


この、概念をTRADE OFFといいます。専門用語です。例えば車の安全性と燃費の関係はTRADE OFFの関係です。またウィルスの形質転換にも使われる重要な用語です。




車の運動エネルギーは質量に比例しますから、重くて頑丈な大型車ほど安全ですが、同時に燃費が悪くなるのは当然ですね。これは物理学的事実ですから、技術の革新により、燃費の良い大型車ができても、その技術を使って小型車を作ればさらに、燃費の良い車ができます。




TRADE OFF という考えを使えば、上のリストで両立しない項目がありますね、車であれば100万円で大型車より、安全で、室内が広くて、内装も豪華でカーナビが付いている、最新のさまざまな設備も付いている、しかもプリウスより燃費の良い車は無いということは誰でも理解できるでしょう。




ところが塾というのは具体的な品物を売っているわけではありませんから、このTRDE OFFの関係が見えにくいのです。一番、見えにくいのは講師の経験.力量ですから、この部分から真っ先にコストダウンする塾が多いのです。




すぐに見て分かるのは服装や施設です。学生講師にネクタイ着用を義務付けたり、ロビーを高級ホテルのように見せたりするのが最近の塾の風潮です。




上のようなリストを作ったら、その希望をすべて満たす塾はありえないということを考えて、





塾選びには必ず優先順位を考える事です




どの塾の広告を見ても悪い事は書いてありませんが、全てにおいて万能な塾はありません。ですから塾を選ぶ際には、明確な目的意識をもって臨むことが重要です。



2021年7月17日追加更新


サブパソコンを購入する時にこのトレードオフの考え方を実行してみました。



パソコンについては私の場合には専門のプロフェッショナルにお願いしています。


本体だけの値段を考えればネットで買った方が安いわけですが設定やアフターサービスも含めてパソコンショップを経営されている方にお願いしています。


漠然とパソコンが欲しいと言っても相手も困りますね。


逆に必要のないものを言ってお願いしました。


固定パソコンで仕事の方はできます。


新たに持ち運びのできるノートパソコンが必要だと言いました。


その際自宅で仕事をしている自営業ですから会社の帰りにスタバによったり電車の中でノートパソコンで仕事をする必要はありません。


従って常に持ち歩くわけではないのでバッテリーが長く持つとか重量が軽いということは必要ありませんと言いました。


すでに電子書籍の Kindle は持っておるので本体とディスプレイが分かれてタブレット型端末になるものも必要ありませんと言いました。


ノートパソコンの性能は上がっているのでメーカーもどこでもいいと言いました。


スマホでできるものは必要ありませんと言いました 



固定パソコンの方に入っているのでオフィスやワードのようなビジネスツールを入らないと言いました。テレワークも必要ないのでカメラ機能はこだわらないと言いました。専門のプロフェッショナルからはカメラ機能がないパソコンの方が難しいと言われました。


結果的に安くて満足のいくものが手に入りました。


予算は限られてますからね。



学習塾でも保護者に漠然と良い学習塾を紹介してくださいと言われても困りますね。


このトレードオフの考え方が重要なのは税金の使い道だといつも言っております。


既に過去のブログで個別の事例は指摘しています。




町内会の親睦のためにカラオケで遊んだり旅行に行くと言うこと自体は悪いことではないと思いますが問題はそれが税金で補助されているということです。

地方の活性化をしよう。

奨学金を無料にしよう。

地元の私立大学を公営化しよう。

地元に音楽ホールをつくろう。

税金で図書館を作ろう。

税金で補助して商店街でイベントをしよう。


一つ一つは誰も反対しないかもしれませんがトータルでみた場合にどこかに税金を補助すればどこかの税金を削らなければなりません。


無限に予算があるわけではありませんから増税でもしない限り必ずトレードオフの関係が成り立つわけです。


音楽ホールを作るより小学校の耐震化を急ぐべきです。


芸術の振興に補助を出すよりは子供の通学路にガードレールを設置する方が先です。


大学の哲学科にフッサール研究の補助を出すよりは医学部に iPS 細胞の研究の方を急ぐべきです。


過去のブログに共通することはこのトレードオフの考え方です。


予算特に税金は常に優先順位と配分の重要さです。


その際 大学で源氏物語の研究をするのに予算を出すのと医療、介護、安全安心を比べた場合にトレードオフの考え方を利用するべきである。


国民の命に関わる医療予算に優先して配分するべきだと言っております。