前回の東大受験の記事で

1.問題文には解法に必要な最低限の情報しか書かれていない。

2.問題文には、余計な条件も書かれていないから、与えられた条件は全て使い切る

という旨のことを書いたが、一般論であり、例外もある。


京都大学ではいささか困った(受験生を惑わせるという意味である)問題が散見される。


京都大学2001年数学入試より
UBQ数理フォーラム代表:長山豊のブログ

与えられた式を因数分解すれば

n(n-1)の因数が出てくる.

隣接する(整数は連続していない)整数の積だから2で割り切れる事にすぐに気がつく受験生は多いであろう。そこから展開させる解法かと思うかもしれない。ところが問題は9で割り切れることを示せであるから、とまどう受験生もいるかもしれない。


合同式を、とってみると与えられた式は18で割り切れる。


それだったら、最初から18で割り切れる事を示せ。という出題の方が適切だったのではないであろうか?


京都大学91年入試より。
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向かい合う辺が全て垂直である四面体を直稜四面体という。成立条件は2組の対辺が、垂直であることだ。だが問題文には「3組の・・・」と書いてある。


(簡単な説明)


四面体O-ABCの位置ベクトルをOをゼロ・ベクトルとしてA(a),B(b),C(c)とおくと a(b-c)=0かつb(a-c)=0 であれば ca=cbだからc(a-b)=0となる。


ご存知のように中学生に三角形の相似を教える際には「2つの角が等しければ・・・」といって、決して「3つの角が等しければ・・・」とはいわない。


2つの角が等しければ、残りの3番目の角は自動的に等しくなるからだ。


この京都大学の問題では、数学的に不要(REDUNDANT)な条件が書いてあるから、問題文の条件を使い切らなくても解答出来る事になる。


また、四面体の重心の定義を無条件に前提としていることも、いかがな事かと思う。四面体の重心は「各頂点から下ろした垂線の交点ではない(そもそも四面体の垂心は存在するとは限らない)ということを、全ての高校の授業で教えているとは思えないからだ。


さて、この問題も中学生程度の知識で20秒もあれば解ける。ゾムツールで作ってみた。
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写真のように辺の中点を結ぶと、中点連結定理により長方形ができる。見づらくなるので写真では1つだけ作ってみたが、残りの辺にも同じように対辺の中点を結んで長方形を作れば対角線を共有する長方形がもう一つできる。


長方形の対角線は互いに2等分するから、対角線の交点を中心に、各辺の中点を含む球面がかける。