裏技と言われるものは色々あるが、裏技を教える塾がすべて悪いわけではない。

裏技の内容が問題である。

1 数学の本質とは無関係に答だけを手続的に出す裏技。
 例:はじきの公式や植木算で図を描いてレバーを上下させて答だけを出させるもの。

これらは、理屈とは無関係に、ただ単に答だけを求める便法の公式である。
これらは、大学受験まで考えた場合、やはり、百害あって一利なしであろう。

2 数学的には正しいが、その学年の履修範囲で証明できないもの。
 例:(高校生の場合)ロピタルの定理で極限値を求めること、
   ラグランジュの未定乗数法で、最大値、最小値を簡単に求めることなど。
   (中学生の場合)中学で習う場合の数・確率を高校で習う重複順列や独立試行を用いて求めること。

これらの裏技は、知的好奇心を刺激するという意味で、慎重な配慮の下、生徒のレベルによっては教えても良いであろう。ただし、基本を飛ばして教えることは良いことではなかろう。

3 数学的に正しく、その学年の履修範囲内で証明も可能だが、教科書・参考書等には通常掲載されていないもの。

 例:■(中3生の場合)スチュアートの定理、プラグメプータの定理(プラマーグプタの定理)、アルハゼンの定理など。放物線が図形として合同であること。中学の履修範囲で証明は可能であるが、一般の参考書などには載っていない。これは、灘高校、ラ・サール高校等で出題されている。

 ■(大学受験生の場合)偏微分を使った包絡線の求め方、反転と複素平面、ベータ関数を利用した積分計算など

 偏微分で包絡線が求められることは高校の履修範囲外であるが、求められた直線群が包絡線になっていることの証明は高校範囲で証明されることができる。 
  これらの裏技は、UBQでは生徒のレベルを配慮の上指導している。

これらを裏技と呼ばれるのは心外であり、数学の本質に根ざした解法と呼んで頂きたい。

要は、裏技そのものに良し悪しがあるのではなく、生徒の習熟度や志望校によって判断されるべきであるが、大切なことは中学受験と大学受験では違うことである。
本題の記事(1)で述べたように、
中学受験は通過点に過ぎない。
中学校、高校に進学した後で伸びる
指導をしているかどうかが重要である。
中学受験はただ単に合格しさえすればよいものではないということを、保護者はよく理解されたい。

注:UBQでは、中学受験塾と異なり、大学受験塾はある意味合格実績がすべてだと思っている。なぜならば、大学進学後の人生は本人にゆだねられるべきものであり、もはや塾の関知すべき領域ではないからである。