(4)中学受験で答えだけを出す裏技というのがある。この裏技の中でも

    センターラインの公式

というものがある。もともと教える気はないのだが、私立小学校で授業中に質問されたので、


 その質問が出た以上、今日は、予定を変更して完全に説明します。大阪の塾で習ったようですが、下手に塾でやり方だけ習うのでしたら、私が証明します。ノートをしっかりとって興味のある方は高校に入ったら、ノートを見返してください。     ということになった。



センターラインの公式とは:

《 円がある図形の周りを通過する際、『直径×中心のとおった距離』に通過した部分の面積は等しい》


というものだ。


例えば:半径10センチの円の周りに半径が1センチの円が一周したときの面積は?


(解法1)できる面積は内側が10センチ。外側が12センチの同心円に囲まれた部分(ドーナツ型)だから,


12×12×(円周率)-10×10×(円周率)=44×(円周率)

(解法2)小円の中心は半径11センチの円を描く。

小円の直径は2センチだから、面積は2×11×(円周率)×2=44×(円周率)



なぜ、成り立つのか?(*授業で1時間以上かけて説明するものをわずか数行で述べる事自体、不可能に近いことはご了承いただきたい。)


まず、半径が2センチで中心角が非常に小さな扇形の面積を頂角が非常に小さな2等辺三角形と考えれば

面積は高さ(半径に近似)×底辺(弧長に近似)÷2 である。

底辺(弧長に近似)÷2は半径1センチの部分が通過した弧長。これが小円の半径の中心が通過した距離である。

次に、通過した部分を隣り合う扇形を上下逆になるように埋め尽くす。無限に小さな扇形のリーマン和(の極限値)は通過領域の面積に等しい。


しかし、これはある条件の下でしか求める面積に収斂(収束)しない。だから私は教えないことにしている。


何故、自分で証明のできない公式を使ってはいけないかというのは:何故成り立つかがわからなければ、どのような場合に成り立たないかも、わからないからだ。


https://gamp.ameblo.jp/ubqubq/entry-11926525658.html





(5)ここで塾の裏事情をひとつ説明する。

すべての塾がそうであるというわけではないが、塾業界では一般的に小・中学生の指導者より高校生の指導者の報酬のほうが高い傾向にある。
もちろん、需要と供給のバランスに基づくものであって、教育的配慮に基づくものではない。東京の学習塾で求人広告をすれば応募者の9割は中学生の英語または小学生の国語を希望するとさえ言われています。 高3の理系数学を希望される方は皆無に等しいと言われています。

もしそうなら、高校生には(優秀な)先生、小中学生には(そうでもない)先生が同じ塾で指導しているという見方もできるかもしれない。
応募する先生側から見れば、高校生を指導できる先生は報酬の高い高校生を教え、あえて報酬の低い小中学生を教えることはないだろう。

例外は、個人塾である。

塾長が教えている分には小中学生だろうが高校生だろうが関係ないからだ。

個人的見解としては、UBQのHPにもあるとおり、小学生を教えるほうが高校生を教えるよりある意味難しいので、本来は小学生の指導のほうが時給が高くて当たり前だと思っている。小学生の英語教育の導入においてある大学の英文科の先生が小学生の英語なら、小学生の英語ぐらいなら教えられる人はいくらでもいるはずだと言っていました。

小学生の英語を一度も教えたことがない先生なのでしょうね。

ただし、注意しなければいけないのは、「小学生しか教えない」先生と、「小学生しか教えられない」先生とは、全く別物である。
関東・関西をはじめとする中学受験専門塾には、小学生のみを教える高度なプロフェッショナルがいることは知っている。

要は、安易な姿勢で小中学生を指導している講師や教えさせている経営者が問題であろう。
なお、現在ではインターネットで塾の求人情報が検索できるから、保護者が検討されている塾の求人情報を検索されるのも、ひとつの方法であろう。

UBQ数理フォーラム代表:長山豊のブログ

同じ塾の中で正社員の給与が指導する学年によって異なる塾もある。

UBQ数理フォーラム代表:長山豊のブログ