岡山に塾経営のいろはを教わった品川先生という方がいる。
やはり、首都圏の中堅塾で教務主任をされ、岡山に戻って独立開業された方だ。岡山の文教地区で小さな塾をもう何十年もされてブレがない。地域の保護者に信頼されて何十年という。言うのが易しく行うのが難しい塾の理想型の一つだ。

その先生が開校されたときに講師としてお手伝いさせて頂いた。

黒板の位置や生徒の並べ方からチョークの使い方まで全て意味があり、私の疑問に全て明快な答えが返ってくる。
  全保護者に電話連絡する際は必ず同じ日に電話をして、次回の電話は逆の順でかけること。
  今度は入ってくる生徒は近視だから今日からはプリントを拡大して配ること
など
細かい点の配慮が行き届いてる。
一番驚いたのは受験直前に
   大崎君と目黒君は大丈夫。渋谷君は難しいだろう
と予言して、そのとおりになるのだ。

受験直前の生徒の目を見ればわかるそうだ。塾というのはここまで奥が深いのか

余計なことであるが京都の塾で大変な事件があったとき塾の教室が内側から鍵が掛けられるようになっているとは耳を疑うばかりであった。

ところが品川先生が7月に開業されたことだけがわからなかった。常識的に12月ぐらいから受け付けて、3月か4月に本格的に開校するのが経営上、有利であろう。

おそるおそる伺ってみると答えは:

僕は前の塾で教務の責任者をしていたので全生徒の進学先を確認して、次の先生に引継ぎをして子供たちの前で田舎に帰らないといけない事情を説明し、退職したからだよ。だから4月の開校に間に合わなかったんだよ。最後は生徒と保護者が集まってお別れ会までしてくれたよ。経営者の許可をとって実家の連絡先を伝えたから、今でも当時の生徒から年賀状を頂くよ。との由