2014年オリジナル
右は1984年、左は2003年初版の参考書
右は1984年初版の地学、左は2003年初版の微分積分の参考書である。
(*左の参考書は版元・著者名が見えなくしております)
昔に比べ、昨今の参考書は、表紙も明るいデザインである。表題も生徒の受けがいかにもよさそうな表現である。そればかりか、本文は一見、とてもやさしい語り口で、読みやすく書かれている。
しかもこの2冊、本の厚さも・・・
御覧のとおり、それほど差はない。
しかし、これらの総ページ数を見てみると・・・
下が地学、上が微分積分の参考書
前者が368ページ、ところが、後者は222ページしかなく、4割程度、中身が少ないのである
それはなぜか。後者の参考書は、厚い紙を使用しているからだ。
この微分積分の参考書を20年前の参考書のスタイルで製本すれば、これだけの厚さにはならない。
薄い参考書では、生徒たちが「勉強した気」にさせられないからだ。
厚い参考書を制覇すれば、いかにも「勉強した気」になれる。
この手法は、何も参考書の出版だけの話にとどまらない。
学習塾の一部には、手続き的な知識・作業でこなせる問題を多量に宿題として出すところがある。
保護者から見れば子供が机に座ってひたすら問題を解いておれば安心するという心理を利用してのことだ。