立体の感覚を養うことは、特に低学年では重要なことである。
下の問題を見てほしい。
弘学館中学
この問題を指導する上で、非常に大切なことがある。
それは、「はじめから理屈で教えない」ことである。
実際に作って、目で見て、触って、数えることである
UBQでゾムツールという教材を使って作ったのが、下の写真である。
フラーレン
なお、ゾムツールとは、パウル・ヒルデプラント博士が考案された、きわめて優れた立体教具である。
長山も、ゾムツールを用いた数学指導用の教材のてびき(小冊子)を執筆しているので、興味がおありの方は「ゾムツール」で御検索ください。
小学生や中学校低学年では、
1 実際に作る
2 実際に辺、頂点、面の数を数えさせる
この二つをじっくり時間をかけて行うことが肝要である。
高校生を主に教えている先生は、ともすれば、理屈を使って教えがちである。
例えば、オイラーの多面体定理や構成する面の数から計算で求めてしまう。
こういう指導をしがちである。
しかし、この問題を解くことは目的なのではない。立体の感覚を養うことが目的で、そのための手段として、この問題を解かせているのである。
数学のことを知らない第三者が見れば、単に遊んでいるように見えるかもしれない。しかし、この時間は非常に大切なものであり、これらのことをしっかりと理解させたうえで、オイラーの多面体定理等の理屈を教えるのである。
教える順番を間違えてはいけない。