岡山大学2002年の入試問題(英語、文理共通)・大問2の問題文一節より。
なお、問題文の前後及び設問等は省略しています。

 
Writing in Friday's issue of the journal Science, The scientists said the well-developed blain of the octopus decides whether an arm should move --- to grasp food, for example--- but leaves it up to these eight nervous systems to carry out the order as they see fit.
This is the first time that such a remarkable quality has been found anywhere in the animal kingdom, said lead researcher Binyamin Hochner of the Hebrew University of Jersalem.



  問題は、the animal kingdomです。 これは、何と訳せばよいでしょうか?


授業で生徒に訳させると、「動物王国です」という答えが返ってきました。

「それではまるで、ムツゴロウ王国ですね」

とツッコミを入れたところ、教室は大爆笑に包まれました。
~ちなみに、某大手予備校の該当問題の訳にも、「動物王国」と書いてありましたから、この生徒だけが特別なわけではないと思います。

この単語を理解するためには、生物学の知識が必要です。
ちなみに、私が今でも生物を勉強しているのは、英語を教えるために他なりません。

生物学における動植物の分類は、昔のように外見で分類するのではなく、進化の理論に基づいて、学術的に行うものです。
この学問を、classificationといいます。

ここで、その分類を挙げます。

kingdom(界)-(動物)phylum(門)・(植物)
division(門)-class(綱)-order(目)
-family(科)-genus(属)-species(種)-variety(変種)

となります。
したがってこの問題では、「動物王国」ではなく、「動物界」と訳さなければなりません。



前回、京都大学の入試問題で取り上げたものと同じく、この問題も、生物学の知識を必要とするものです。

英会話がいかに流暢であったとしても、この問題が解けるとは限りません。

大学入試問題の英語は、教養を問う小論文が英語で出題されていると考えるべきです。
したがって、英語だけではなくて、国語力や様々な知識や教養が問われているものなのです。

UBQの英語の授業で、英和辞典を持参させるのは当たり前のこととしても、特に中学生には国語辞典も持参を義務付けているのは、これが理由です。