前回二つのブログを御覧になって、塾講師はここまでやるのかとお思いになった方も多いでしょう。
東京の慶陰中学(実在の中学名ではありませんが、以下の話は私の経験した事実に基づくフィクションと考えていただきたい)入試問題的中の鬼と言われているA先生が、ある塾にいました。
私はA先生と一緒に働いていたことがあるので、A先生が入試問題を的中させることができる理由を知っている。
そのノウハウをひそかに伺い、私は愕然とした。
いかに慶陰中学といえども、数学の入試問題作成担当の先生が何十人もいるわけではない。その塾は、慶陰中学に多数の合格者を輩出していることで有名であった。
A先生は、卒業生に慶陰中学・高校の中間・期末テストや実力テストはもとより、授業のノートやプリントなどの配布物まで持って来させるのである。それはもちろん6年間にわたり、すべての先生の授業に対して行うわけだ。数学に限らず、慶陰中学・高校で教えているような先生たちともなれば、言うまでもないが、日本でも有数の一流の先生たちである。そんな先生たちだからこそ、こだわりの分野を持っているものである。となれば、なにがしかのこだわりを持って入試問題を作成する傾向がある。
慶陰中学・高校の先生方一人一人の授業ノートまでを分析するのは確かに大変な作業だ。しかし、一流の塾講師ともなれば、入試問題を的中させるためにはそのくらいの努力はいとわないものである。そこまでやれば、その年の入試問題をどの先生がどういう意図で出したかということが手に取るようにわかるものだと、A先生はおっしゃった。
あまり他の塾講師には教えたくはないのだが、慶陰中学の内部での実力テストとまったく同じ問題が、中学の入試で出題されたことさえあるのだ。
入試問題を的中させることは、偶然と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、そうではないのだ。塾講師の並外れた不断の努力があるからこそできることなのである。
世間一般には、大学の先生を入試問題のプロと思う向きもあるが、大学の先生は(専門分野の)研究者であり、学者である。大学入試問題の作成はもとより、採点にさえ、まったくタッチしない先生も多い。
iPS細胞の研究で有名なとある大学の先生が、あるとき講演の席で、最近の学生は基礎研究に向かおうとしないことを嘆いた上で、「国立大学を受験する人が全員受験する、何とか試験の上位者がことごとく医学部志望であるそうですが、実に嘆かわしい話だ・・・」と話を続けたところ、舞台の袖からお手伝いの大学院生に何やら耳打ちされ、「そうそう、センター試験って言うんですかぁ、そんなのがあるんですかぁ・・・」と続けられました。
その先生の研究はノーベル賞級と言われているそうですが、そんな先生でさえ、(そんな先生だからこそ・・・というべきであろうが)大学入試に対する認識というのは、そんなものなのだ。
受験のプロとは、A先生のような、塾・予備校の講師である。
東京の慶陰中学(実在の中学名ではありませんが、以下の話は私の経験した事実に基づくフィクションと考えていただきたい)入試問題的中の鬼と言われているA先生が、ある塾にいました。
私はA先生と一緒に働いていたことがあるので、A先生が入試問題を的中させることができる理由を知っている。
そのノウハウをひそかに伺い、私は愕然とした。
いかに慶陰中学といえども、数学の入試問題作成担当の先生が何十人もいるわけではない。その塾は、慶陰中学に多数の合格者を輩出していることで有名であった。
A先生は、卒業生に慶陰中学・高校の中間・期末テストや実力テストはもとより、授業のノートやプリントなどの配布物まで持って来させるのである。それはもちろん6年間にわたり、すべての先生の授業に対して行うわけだ。数学に限らず、慶陰中学・高校で教えているような先生たちともなれば、言うまでもないが、日本でも有数の一流の先生たちである。そんな先生たちだからこそ、こだわりの分野を持っているものである。となれば、なにがしかのこだわりを持って入試問題を作成する傾向がある。
慶陰中学・高校の先生方一人一人の授業ノートまでを分析するのは確かに大変な作業だ。しかし、一流の塾講師ともなれば、入試問題を的中させるためにはそのくらいの努力はいとわないものである。そこまでやれば、その年の入試問題をどの先生がどういう意図で出したかということが手に取るようにわかるものだと、A先生はおっしゃった。
あまり他の塾講師には教えたくはないのだが、慶陰中学の内部での実力テストとまったく同じ問題が、中学の入試で出題されたことさえあるのだ。
入試問題を的中させることは、偶然と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、そうではないのだ。塾講師の並外れた不断の努力があるからこそできることなのである。
世間一般には、大学の先生を入試問題のプロと思う向きもあるが、大学の先生は(専門分野の)研究者であり、学者である。大学入試問題の作成はもとより、採点にさえ、まったくタッチしない先生も多い。
iPS細胞の研究で有名なとある大学の先生が、あるとき講演の席で、最近の学生は基礎研究に向かおうとしないことを嘆いた上で、「国立大学を受験する人が全員受験する、何とか試験の上位者がことごとく医学部志望であるそうですが、実に嘆かわしい話だ・・・」と話を続けたところ、舞台の袖からお手伝いの大学院生に何やら耳打ちされ、「そうそう、センター試験って言うんですかぁ、そんなのがあるんですかぁ・・・」と続けられました。
その先生の研究はノーベル賞級と言われているそうですが、そんな先生でさえ、(そんな先生だからこそ・・・というべきであろうが)大学入試に対する認識というのは、そんなものなのだ。
受験のプロとは、A先生のような、塾・予備校の講師である。