明日から新しいクラスでのスタートだ。
桜の季節、自分の子供時代を思い出す。
3年生で初めて同じクラスになった男の子、山田。
それまでお互い存在さえ知らなかったが、机が隣同士になったことで早速仲良くなった。
仲良く、というか、山田がふざけたことばかりして、私が「も〜!」と笑いながら怒る。
忘れ物も多くて、でも山田は全然反省しなくて、毎時間教科書を2人の真ん中に置いて授業を受けていた。
山田はお調子者で、本当にずっとふざけていて、休み時間もクラスの男子に囲まれていた。
でもそれが2学期に入った頃から少しずつ変わっていった。
テストはいつも10点とか20点だった。
休み時間は人気者というより、みんなのイジられキャラになっていて、服を脱がされたりもしていた。
自分で自らの顔をビンタしたりして、みんなを笑わせていた。
歌の発表会では、歌の最中も舞台に立っておられず、台から降りてみたり、登ってみたり、歌ってみたり、観客に手を振ってみたりしていた。
集合写真は全部といっていい程、横を向いてる。
その時は何も思っていなかった。
でも今思えば山田はそうちゃんの仲間だったのかも知れない。発達がみんなとは違っていたのかも知れない。
でも山田は明るかった。
いつも楽しそうだった。
私の記憶には山田の笑顔ばかりが残っている。
山田は今の私を勇気付ける。
今、彼はどうしているだろうか。
幸せであってほしいと願う。