日常業務の中で、印紙に関するご質問や確認をすることが多々あります。そこで印紙について調べてみました。
印紙税が課税される文書(課税文書)は印紙税法に定められており、国税庁の「印紙税額一覧表」で確認することができます。この一覧に記載がないものは不課税文書となり課税されません。
課税文書のうち、記載金額が5万円未満の領収書など例外的に課税されない文書は、非課税文書といいます。時折、「5万円ちょうどの場合、印紙は必要ですか?」と聞かれる事があります。5万円未満の領収書などは非課税とありますので、5万円は課税となり印紙は必要です。
実際、課税文書に該当するかどうかは、その書類のタイトルではなく内容によって判断されることとなっています。
◎主な課税文書には次のものがあります
不動産売買契約書・請負契約書・業務委託契約書・領収書など
【例えば、不動産売買契約書等では・・・】
当事者の一方が業者であるような場合、契約書は必ずしも二通作成する必要はありません。この時、契約書は一通だけ作成し業者はコピーを保管するということが見受けられます。あくまで印紙税は原本にのみ課税されますので業者の保管するコピーには課税されません。ただし、コピーに「原本と相違ない」旨の契約当事者の証明(署名や押印)があるものは課税文書となり印紙税が課税されますので注意が必要です。
○主な不課税文書には次のものがあります
リース契約書・建物賃貸借契約書・発注書・電子データ化された領収書や契約書など
【電子化された領収書には・・・】
印紙税は「紙の文書」に課税されます。ネット注文等で領収書をPDFデータで受け取ることがあると思います。電子化されたPDFの領収書は紙の文書ではない為、課税文書にあたらず印紙税は課税されません。ただし、電子メールで領収書を送信後、改めて紙に印刷して郵送する場合は課税文書となり印紙税が課税されます。なお、領収書を受領した側が保管の為にPDFデータを紙に印刷しても課税されません。
【代金を銀行振込した場合の領収書には・・・】
振込明細書を領収書代わりとして扱う事も可能なため、領収書ではなく振込明細書を発行する場合もあると思います。振込明細書は税務上領収書の代わりとしても扱えますが、正式な証明書ではないため、代金を支払った側から領収書の発行を求められる場合があります。振込後に、発行する領収書は「紙の文書」となる為、印紙税が課税されます。
※※※ 収入印紙の交換と印紙税の還付について ※※※
収入印紙を現金に換金することはできませんが、郵便局では交換を行っています。対象となるものは「未使用」「白紙又は封筒に貼り付けられたもの」など限られており、交換の際には1枚5円の交換手数料が必要となります。
また、税務署では契約書や領収書などの印紙税の課税文書に誤って過大に収入印紙を貼り付けてしまったような場合には、過誤納金として還付を行っています。この場合、収入印紙が貼りつけられた文書を税務署へ持参し、所定の手続きを行うことで還付を受けることができます。
身近な存在の収入印紙ですが、納税という大きな役割を持っています。電子化が進み、Excel等で領収書を発行することも多くなっています。正しく理解し、納付漏れになることが無いように気をつけましょう。