今般の新型コロナウイルス感染症対策として、国から1人10万円の特別定額給付金のほか、持続化給付金、雇用調整助成金など、国や自治体からいくつもの給付金が公布されています。この給付金は申告の際に課税されるのでしょうか
〇法人の場合
法人に対する助成金は、法人税法上、課税対象となります。(益金に算入)
〇個人・個人事業者の場合
個人や個人事業者の場合、給付金の目的や根拠となる法律によって所得税の課税関係が異なります。
例えば、特別定額給付は新型コロナ税特法で非課税とされていますので、申告は不要です。
持続化給付金や雇用調整助成金は事業所得の付随収入として、売上と同じ扱いです。
詳しくは下記のホームページをご参照ください。
※国税庁のHP 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係「問9 個人に対して国や地方公共団体から助成金が支給された場合の取扱い」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/05.htm#q5-9
〇消費税の扱い
国や自治体から受け取った給付金等は消費税の不課税取引となります。
つまり、法人も個人事業者も消費税の課税対象とされる取引に該当しません。
〇給付金の収益計上時期
それではこれらの給付金はいつの事業年度で申告をするべきでしょうか?
収益の計上時期は「経費支出の補填」を目的に給付された給付金であるか否かで異なります。
例えば、雇用調整助成金は、休業手当という「経費支出の補填」の性格があります。
給付原因(=休業等)の事実があった日の属する事業年度で収益計上することが原則です。事業年度末時点で具体的な給付額が未確定の状態でも、見積計上が必要となります。
一方、持続化給付金は、新型コロナウイルス感染症の影響で打撃を受けた中小企業等の事業全般に広く使える「経費支出の補填」の性格がない給付金といえます。「経費支出の補填」の性格がない給付金は「支給決定日」の属する事業年度で申告することになります。
実務的には「支給決定日」の記載がない場合もあります。その場合は「支給決定通知が届いた日」もしくは「入金日」のいずれか早い日の属する事業年度に収益計上することになります。