虹の橋を渡った院長先生とハルちゃんのこと。 | まりも日和

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鳥好きライター、鳥類学講師、すずき莉萌の鳥好きブログ。
愛鳥家のみなさんにとって、ほんの少しためになる内容を目指します

ここ数週間、無休で働いておりまして、


なかなか更新ができず、毎日見に来て下さる方、ほんとうに申し訳ありません。あせる



更新できなかった間、いろいろありましたが、


中でも、とてもショックなことがありました。



大好きな獣医の先生が亡くなってしまったんです。



優しくて包容力がって、ジョークが面白くてγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ



獣医学博士としての知識も素晴らしいもので、


心の底から尊敬できる素晴らしい先生でした。




毎年、デパートの外商を呼びつけてお取り寄せする


ゴージャスなバーベキューパーティに招いてくださって、


家族ぐるみでお世話になっていました。ドキドキ



時にはご本人が海で釣ってきた魚を自ら豪快に捌いて、


ふるまってくださったこともありましたっけ。



上の子が赤ちゃんの時もかわいがってくださって、


ほんとうに楽しいひと時を過ごしたものです。



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院長先生は、5か月前に病気が発覚し、手の施しようがなかったようです。



しかし、痛みのコントロールはしっかりできていたようで、


安らかな最期だったということでした。



まだお若い先生でしたが、それだけが救いです。


奥様もショックだと思います。



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その獣医師ご夫妻から学んだことの中で、とても印象に残っている出来事があります。



セキセイインコのハルちゃんの最期に頂いたアドバイスです。



頭が良くて、新参者の鳥にも優しくて、何十年も飼ってきた中でも、


屈指のセキセイさんでした。





まだメガネをかけていた頃の若かりしわたしと若かりしハルちゃん。



うちに来た時にお世話になっている編集長が撮ってくださったもの。


懐かしい画像です。


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ハルちゃんが精巣腫瘍に侵され、


ある鳥の病院の先生の指導のもと、3種類のお薬を1日3回、強制投薬していました。



薬が辛かったのか、どんどん食餌の量も減り、


強制給餌となってしまいました。



数時間おきの強制給餌はわたしにとっても辛いものでした。



給餌や投薬を嫌がって、エサや吐しゃ物で、いつもべたべた。


無理やり食べさせられる流動食など、美味しくなかったのでしょう。



そんなハルちゃんの姿にやりきれなくなってしまったのです。


治療も給餌もハルちゃんのために、と思えなくなってしまったというか・・・。



仕事もありましたし、この生活を続けていけるとも思えず、行き詰まってしまいました。



そんな中、この獣医師ご夫妻に、ちょっとしたグチのようにこぼしたところ汗


目からウロコの声をかけていただきました。



「まりもちゃん、忙しいなかよく頑張ったね。


でも、もう無理しないでいいんだよ。


ハルちゃんはじゅうぶん、幸せだったと思うよ。


まりもちゃんがそんな調子じゃ、ハルちゃんも悲しむんじゃないかな。



獣医の言うことじゃないかもしれないけれど、


好きなものを好きなように食べさせてみたらどう?


治療用の人工栄養なんてやめて、好きなシードにして。



それでも食べなかったら、くだものやスープとかクッキーとか、


若い頃に食べたそうにしていたものを与えてみたら?



保温は大切だけど、小さな飼育ケースじゃ息も詰まるだろうから、


たまにはケージに戻してあげたり、


今まで放鳥のときにお気に入りだった場所にいさせてあげたり。



夜は拾って食べられるように24時間、灯りをつけておくというのもやめたほうがいいね。


夜くらい、暗い中でぐっすり休ませてあげたら。

ハルちゃんも頑張ったし、まりもちゃんも頑張った。


ここからは二人にとって、ご褒美の時間ってことにしてサ桜!」



正直、ハルちゃんのことを相談したら、


「うちの病院に通えば?」と提案されのではないかと、


そのことを心から恐れていた私。。。



今思えば、失礼なことを考えていたものです。



大好きな先生たちですが、通院に片道2時間以上かかるからです。


ハルちゃんにその体力はもう残されてはいませんでした・・・。



でも、先生は通院を勧めるどころか、上記のようなアドバイスをしてくれたのです。


そんなことをして良いのか、迷いもありましたが、踏ん切りがつきました。



そこからは、薬をやめ、


ハルちゃんの気持ちを最優先にして、のんびり過ごしてもらいました。



すると、ぐったりしていたハルちゃんの瞳に光が戻り、


足腰も力が入るようになり!


調子が良いときは他の鳥とたち遊ぶ姿も、時折見受けられるようになりました。








「インコ生活」に登場するセキちゃんと、精巣腫瘍で闘病中のハルちゃん。

腰のあたりが腫瘍で膨らんでしまっていて、まっすぐ立つことはできませんでしたが、

私とセキちゃんが大好きで、がんばって手の止まっていました。








その後、ハルちゃんは亡くなったわけですが、


悔いのない最期でした。



先生ご夫妻のおかげだったと心から感謝しています。ブーケ1



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院長先生が亡くなり、大好きだった病院も閉院になってしまいました。



病院でかわいがっていたオカメちゃんは、他の病院に貰われていったそうです。



というのも休院中、飼い主さんやどうぶつたちがやってこなくなり、


寂しがってすっかり元気がなくなってしまった、ということで。



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ちょっと乱暴ともいえるハルちゃんの最期の過ごし方。


それがよかったのかはわかりませんが、


元気な姿を取り戻して亡くなってくれたことは幸いでした。



途中で治療を辞めてしまったことについては


努力不足と言われてしまうかもしれないけれど、ほんとうに限界だったので。



ハルちゃんに関しては、緩和ケアに切り替えた形で、


後にも先にもこの一羽だけですが、印象的な最期でした。


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先生ご夫妻の伴侶動物であった、


亡くなった動物たちのお骨がたくさんになってしまい、


二つ借りていた納骨堂は満員。



そこで、お骨を移すために、プチ古墳ばりの大きなお墓を用意していた矢先だったそうです。



「動物のお骨を移す前に院長が入っちゃったね」


「まさか、自分が一番はじめに入るとは思ってなかったと思う」、と、奥様は泣き笑い。



アートにも造詣の深かった先生。


特注のモニュメントをごひいきの彫刻家に依頼し、墓石にするそうで、


そこにはペットの名前と一緒に院長の名前が並ぶのだとか。


最期まで華やかなことを好んだ院長先生。


こちらは巣立ちしたばかりのヒナの世話をせっせとする、元気だったころのハルちゃん





ハルちゃんも院長先生も、また虹の橋のむこうで逢えるよね。


どうか安らかにお眠りください。虹