親子カウンセリングの続きです。
それと、お母さんの悩みの大きなひとつに、
「どうせボクなんかどうでもいいと思ってるんだろ」
「ボクなんかいなくなって・・・」
的な、自暴自棄なB君の発言もありました。
これは、親としては、かわいい子どもに
言ってほしくない台詞ですよね、たしかに!!
「なんて答えるんですか?」
と聞いたら、
「お前が一番だよ、っていいますよ、一応」
というお返事でした。
ボスに呼ばれたお母さんが退出、
そして部屋に残ったわたしとB君。
「さて、ジャマモノは消えたってことで(※Aさんごめん!)」
ニヤリとほくそ笑む私とB君。
じゃあ、ふたりだけでお話しようね。
「B君はさ、中学にいったら
急激に伸びる気がするよ、
自分でもそう思わない?」
「うん、そう思う」
「お母さんのことも、B君はほんとは大好きなんだよね」
「・・・・。うん」
「お父さんとは、離れていて、なかなか会えないけど
寂しくはない?」
「うん。」
「お母さんが居ればいいって感じだよね、きっと。」
「うん。」
「お風呂に一緒に入りたいのは、
お母さんと少しでも一緒にいたいからでしょう?」
「うん。そう」
「騒音だしたり、外でおしっこしたりして
お母さんを困らせちゃうのも、
きっと、お母さんに注目してほしいからかな、って
わたし思ったんだけど、違う?」
「うん、まあね。そういうこと」
「だよねぇ。お母さんがお仕事にいくの、
寂しくてたまらないの?」
「・・・・・・・・。」
「お母さんの前では、寂しくないっていってたけど、
きっと違うんだよね。
お仕事のことで困らせちゃうと思ったんでしょう?」
「・・・・・。」
「お母さんが、たまに夜もお仕事だったりすると、
涙がでちゃうくらい寂しいのかな」
「・・・、そこまでではないけど。さびしい。」
「じゃ、お母さんに残業はあまりしてほしくないってことと、
ほかにお願いするとしたら、何かな?」
「もっとボクの話を聞いてほしいってこと。」
「そういやA君のお母さん、
最近とっても明るくなったよね。
B君もそう思う?」
「思う。前より明るくなった。
でも前のほうが、ぼくのこと気にしてくれたんだ」
「お母さんは、ボクの話したいことを話しかけても、
あまり聞いてくれないんだ。
ボクのわからないことや興味のない難しいことは
いろいろいってくるんだけど、わかんない。
前みたいに、しゃべってほしいし、気にしてほしいんだ」
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B君のお母さんは、
ここには書けませんが、たいへん複雑な事情を
いくつも抱えていて、
夫と離れ、さらに以前住んでいた夫の実家や
自分の故郷からも離れて、
周囲に頼れる人もないような中で、
がんばって暮らしています。
年の離れたB君のきょうだい二人は、
家を出て自活をはじめたため、
B君は、なかば一人っ子状態になりつつあります。
前の暮らしは、同じ敷地内に
祖父母も住んでいたそうですから、
なかなおかの大所帯だったようです。
また、その頃は家で少しお仕事をしていた程度という
Aさんですが、
今は、生活の一助にと、A君より朝早くに家を出て、
時にはA君を残し、夜も仕事という日々が続いていました。
つまり、大家族がバラバラになってしまい、
B君はそのギャップに、
いままで経験したことのない孤独に苦しんでいるのです。
見知らぬ土地に引っ越してきて、
新しい環境に慣れるだけでも、
相当、たいへんだったと思いますが、
それでも、大好きなお母さんさえいてくれればいいと
考えるB君。
しかし、そのお母さんも、仕事で忙しく、
ゆっくり話をする機会も減ってしまい・・・・・。
「もっとボクをみて!」とばかりに、
B君は、ついに「奇行」という負のストロークを
打ちはじめ、お母さんや周囲にSOSを
送り始めたということのようでした。
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人間、プラスのストロークを打てている間は、
お互い、問題なく過ごすことができます。
しかし、なんらかの事情で、それができなくなると、
(例えば褒めてもらえるようなことをやっても
気づいてくれない、見向きもしてくれないとか、
100点とっても、さらに上を要求するなど)
負のストロークを打って、困らせることで、
関心を引こうとしてしまうのです。
それで、たとえ相手に怒られようと、嫌がられようと、
なんらかの影響を相手に与えることができるなら
そのほうが、まだマシだから。
そのくらい、ヒトというのは他者とのかかわりなくしては
生きていけない、社会的ないきもの、といえます。![]()
今回のケースでは、お母さんが忙しくて
自分をかまう心の余裕がないことは
B君だって重々承知しているものの、
生活環境がガラリとかわってしまったこともあって、
独りで過ごす時間が、
どうしても耐えられなくなってしまったのでしょう。
頭ではわかっていたけれど、
お母さんの気持ちを確かめたくて、
お母さんの気をひきたくて、
過った行動に出てしまった・・・、というところでしょうか。
幼いころは、幼児教室にも通い、
低学年までは、勘のいい優秀なお子さんだった
ということですので。![]()
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以下、B君とわたし、面接のさいごの会話です。
「朝早いのは仕方ないとして、
お母さんが夜、家にいてくれれば、
もうおかしなことしないって、約束できちゃう?」
「うん、もうしない」
「ほんとにそれだけ?」
「あ!あとね、外から5時半までに帰ってくるように
言われてるんだけど、
せめて6時まで外で遊ばせて欲しいんだ。
みんなもだいたい6時まで外で遊んでるし。
不満があるとすると、それくらいかな。」
「お母さんがB君のことに注目していてくれたら
もう学校の飼育動物を逃がしちゃったりもしないよね
」
「うん、あれは、お母さんにおこられると思って
やっちゃったことだから
」
一時間弱、お話ししただけですが、
コラージュをやってもらっても、手先がたいへん器用で、
細かい作業が得意なB君。
完成した作品も
病的なものとは縁遠い、男の子らしい
野球をテーマとした健康的な作品でした。
B君のお母さんは、B君のことを心から心配して
忙しい中、何度もカウンセリングに足を運んでくれています。
それだけでも、お母さんの気持ち、B君に
伝わりそうなものですが・・・・。
また、お母さんであるAさんも、
ふだんであれば、優しくおおらかな方なので、
B君のSOSにすぐに気づけるのでしょうけれど、
なれない過酷な日常に追われ、
息子の奇行の理由が、心の底ではわかっているけれど、
余裕がなくて認められないかもしれません。
親子のように、そばにいると、
あまりに近すぎて見えなくなってしまうことって
たくさんあるのかもしれませんね。![]()
これを契機に、
少しでもAさん親子に穏やかな毎日が戻りますよう・・・・・。
ワンクリックお願いします☆
都内でカウンセリングを行っています。電話、メールでのカウンセリングも承ります。
追伸:B君のお母さんであり、
ここの読者でもあるAさん。
B君との詳細はこんな感じでしたよ。
母親としては腹が立つこともあるかもしれませんが、
お母さんが大大大好きな、純粋な息子さんです。
お母さんが好きすぎての行動だったようですので、
これまでのことは、どうか水に流してあげてください。
また何かあれば、いつでもいらしてくださいね。
ただ、その時は、B君も必ず連れてきてあげてください。
今は置いてけぼりが、何よりつらいB君なのです。![]()