今日は10月2日です。よきTIF日和でしたね。行ってないけど(明日は行きます)。

 

こんにちは!!!

 

 

 

 

あらすじ:

  • 「スーパーサイズ・ミー」から12年、モーガン・スプーロックは新しいフード・ドキュメンタリーの製作を計画
  • それは、自らがファストフード店をオープンするということであった
  • モーガンは、健康志向の高まりから「チキン」をテーマとしたファストフード店にすることを決意
  • 他店舗との差別化のために、自らヒナを飼い、育てるために奔走する
  • また、現在のファストフードを研究し「健康な」メニューを開発する
  • しかし取材を進める中で「ビッグチキン」からの妨害にあうことになり...
 
 

感想:

以前の「スーパーサイズ・ミー」から12年も経っているにも関わらず、全く衰えていないスプーロック氏のバイタリティ流石だと思いました。
 
映画の内容もいわゆる「やってみた」的な内容で、だいぶ現代よりになっていますし、かなり闇の部分にも踏み込んでいるなと感じました。
 
 
観終わったあとで印象に残った部分を記しておきます。
 
 
 

1. 健康ハロー効果

 

この作品で何度も出てくる言葉ですが、ファストフード店を皮肉する意味で、とても印象深いものだと思います。

 
 
そもそもハロー効果というのは、
 
一つ特別な要素を持っていると、他の要素も優れていると錯覚する
 
効果のことです。
 
人気のある有名人は、さぞかし私生活も素晴らしいものであるだろうと思いこんでしまうのもこのせいです。
 
 
 
 
これと同様に健康ハロー効果というのは
 
身体によい素材が使われていさえすれば、
出来上がった料理も身体に良いと錯覚してしまう
 
という効果だといえます。
 
 
 
僕は
 
「フィレオフィッシュって魚使ってるけど、揚げ物だしバンズに挟んでる時点で身体に良くないよね?」とか、
 
「いくらサラダでも、しょっぱいドレッシングかけまくったらダメじゃない?」みたいな疑問を持ち続けていたのですが、
 
それを見事に言い表してくれているのがこの言葉のように思えます。
 
 
 
結局、もとのハロー効果も健康ハロー効果も、
 
物事の表面しか見ていないこと
 
によってこの現象が引き起こされてしまうという意味では、一緒です。
 
 




2. 言葉なんて思いのまま

 
上の健康ハロー効果と合わせてよく使われるのが
 
「フレッシュ」
「オーガニック」
「ホルモンフリー」
「放し飼い」
 
といった言葉たちです。
 
 
作中ではスプーロックが実際に自分で育てた鶏肉にどんな認証が降りるのかをチェックする場面が描かれていて、だいぶ衝撃的でした。

いかに自分たちが企業のマーケティングや広告に踊らされてしまっているのかということを思い知らされます。
 
 
 
 
しかし、日常生活において「食べる」という行動はあまりにも自動的に行われます。
 
1日2~3回も行われること、
 
できるなら判断にかかる時間を減らすことができたら越したことはありません。
 
特に、子持ちで共働きみたいな忙しい家庭の食卓においては尚更でしょう。
 
 
 
 
しかし、だから食品メーカーが悪いとか言うわけではありません。
 
会社には利益が求められます。お金がもらえるのなら、聞こえのいい言葉の数々を使わない手はないと思います。きっと僕が同じ立場でも、そうします。
 
 
 
 
 
だから、これは消費者である我々の問題なのです。
 
 
 
 
 
このためにも消費者には、「関心」と「努力」が求められると作中では訴えかけられています。

幸い、NetflixやAmazon Prime Videoのように、スポンサーに操作されないメディアによって食に関する問題を手軽に知ることができる時代になったのは、とても好ましい流れとも言えるでしょう。


あとは、それを知る努力をするかということと、知った上で僕たちが何を選択するかということだと思います。
 



3. 出来レースは覆せるのか?
  

作中では「ビッグチキン」と呼ばれる大手鶏肉生産メーカーに支配される養鶏農家たちが取材されています。
 
 
彼らはトーナメント方式と銘打って農家同士で生産量を競わされており、激しい競争に日々さらされて日々休みなく働くことを求められています。
 
 
 
 
しかも、問題はこれだけではありません。
 
 
 
 
彼らは、胴元である「ビッグチキン」に供給されるヒナや餌の質を操作されることで、生産量などを実質的に支配されているのです。
 
そうして生産量が落ちた農家は、生産力アップのための施設への投資を矯正されます。そうでないと努力不足とみなされ、契約を解除されてしまうからです。
 
 
 
彼らは出来レースに参加させられ、搾取されていたということです。
 
 
 
もちろんこれはこの映画の中で述べられていることであり一方的なものです。
 
この作品はあくまでもドキュメンタリーであり、これを観た上で全てを知った気になってしまうのは危険なことと言えるでしょう。
 
 
 
 
 
しかし、考えなくてはいけないことは
 
 
 
「出来レース」は、自分たちの身の回りにも存在していないか?
 
 
 
 
ということです。
 
もちろんこういった競争にはエンターテイメント的な要素だって含まれます。一概に全てが悪いとは言えないと思います。
 
 
 
しかし、それによって僕らが無駄にお金を出しているとしたらそれは問題です。
 
それどころか、
 
 
知らずに出来レースに参加させられているとしたら、尚更問題です。
 
 
そんないらぬ競争から降りられる勇気、本質を見極められる力というのが必要になってきますし、
 
搾取を減らすために、歪んだ構造に気づくことも大事かなと思います。
 
 
 
 
とても興味深かったのは、グランドオープンした「ホーリーチキン」に来店した人々が、食品産業の裏側を包み隠さず知らされながらも、出された「クリスピーサンド」を
 
だけど、これは美味しい
 
 
といいながら頬張る姿です。
 
 
知らずに食べるクリスピーサンドと比べてどんな味がしたのか気になります。
 
僕もこれからファストフード店に行くことがあったら、「うまい話には裏がないか?」を気にしながらメニューを選んで見ようと思います。
 
 
以上です。また書きます。