あけましておめでとうございます!

 

新年1回目の更新になります。

 

このブログに関しては目標などがあるわけではありませんが、日々のインプットを綴る意味でもマイペースに更新してゆきたいと思います。

 

今回は、こちらの作品を見ました。

 

 

 

 

簡単なあらすじ:

  • 1997年の韓国は経済先進国の仲間入りを果たし、誰もが中間層と考えていた
  • そんな中、韓国銀行通貨対策チームのシヒョンは、国家破産の危機を予測する
  • 金融コンサルタントのジョンハクは、独自の推測で国家破産を予測し、投資を画策する
  • 町工場を経営するガプスは、通貨危機を知ることなく大手百貨店からの受注を約束手形で契約してしまう
  • シヒョンは低所得層の生活を守るために奔走するが、そこで財務局次官のパクと事あるごとに対立する
  • 予測通り大混乱に見舞われた韓国政府は、IMFの援助に頼ろうとするが...
 
 
 
 
(この先、ネタバレが含まれます)
 
 
 
 

感想:

この作品は韓国で実際に起こった通貨危機を題材にしたものです。
 
僕は通貨危機に詳しくないので、これが事実にどれくらい即しているのかについてはここでは述べません。
 
 
 
ストーリーは、以下の3人の主人公を軸に展開されてゆきます。
  • 通貨危機を予測し、中小企業を守ろうと奔走する、銀行エリートのシヒョン
  • 通貨危機を予測し、人生一発逆転を目指した脱サラ銀行マンのジョンハク
  • 通貨危機が起こることはつゆ知らず、手形を手にしてしまった町工場の社長、ガプス
それぞれの立場がとてもリアルで、当時の韓国の状況を実際に垣間見ているような感覚になりました。
 
 
 
この3人+財務局次官であるパクも含めた対比も見事でした。
  • ルールを決める人・・・パク、シヒョン
  • ルールを自分のために利用する人・・・ジョンハク
  • ルールに利用される人・・・ガプス
という3つの立場に分類して、この作品を論ずることもできそうです。
 
 
 
 
作品に散りばめられたメッセージも、心打たれるものばかりでした。
 
大事なことは密室で、一部の人の都合のいいように決まっている
 
国家破綻の危機なのに何の対策も打たない 無能なのか 無知なのか
 
危機を回避するには、絶えず疑い、考えること
 
特に作品序盤のジョンハクのメッセージはしびれるものがありました。
 
「与信」というものについて、これほど本質を突いていて、正確な説明はいまだかつてありませんでした。
 
 
 
また、この作品では、シヒョンとパクの対立を通じて、ある種の非情さも表れていました。
 
シヒョンは、データという武器を使って、絶対に中小事業経営者の生活を守り抜こうとします。
 
いっぽう、パクは自らの権力とポジションを活かし、IMFを利用して韓国の経済構造を一変させようと画策します。
 
両者はどちらも間違っていることではありません。
 
正解と正解がぶつかりあった時、勝敗を決するのは勝負以前の要素であることが往々にしてあります。
 
 
 
 
その結果、戦いに勝てるのは実は自分の欲望に素直な悪役だったりします。
 
作中でパクが発した、
 
ハン・シヒョン、お前には無理だ
 
には、本当に様々な意味合いが込められていた気がします。
 
 
 
 
 
 
こういった出来事はきっと何もしなければ忘れ去られてしまうものなのかも知れません。
 
実際、僕もこの作品に出会うことがなければ通貨危機については知るよしもありませんでした。
 
それを記録して後からでも追体験できることに、社会サスペンスは一定の価値があると思います。
 
人間の本質が変わらない限り、同じような危機は繰り返し起きるからです。
 
そのような時には、「当然だと決めつけず、常に目を見開いて」事実が見られるような人でいたいと思います。
 
 
 
 
以上です。また書きます。