配信にて新人公演を観劇しました。
↓覚書に本公演の主な役と比較↓※赤字が新公配役
病葉出門(わくらばいずも) 礼 真琴 稀惺 かずと
(安倍晴明の一番弟子、鬼殺しを担う幕府機関のかつての一員)
闇のつばき 暁 千星 詩 ちづる
(江戸を騒がす女泥棒)
安倍邪空(あべのじゃくう) 極美 慎 大希 颯
(鬼御門の副隊長)
四世 鶴屋南北(つるやなんぼく) 美稀 千種 彩紋 ねお
(江戸戯作界の巨人)
阿餓羅(あがら) 白妙 なつ 瞳 きらり
(丑寅の双鬼神)
十三代目 安倍晴明(あべのせいめい) ひろ香 祐 凰陽 さや華
(鬼御門の頭領。森羅万象、五行百経に通じる)
吽餓羅(うんがら) 紫 りら 詩花 すず
(丑寅の双鬼神)
美惨(びざん) 小桜 ほのか 鳳花 るりな
(尼姿の鬼、鬼の魁)
安倍雷王(あべのらいおう) 碧海 さりお 飛翠 真凜
(鬼御門三界衆)
安倍毘沙門(あべのびしゃもん) 天飛 華音 樹澄 せいや
(鬼御門の一党)
笑死(えみし) 瑠璃 花夏 美玲 ひな
(童鬼)
桜姫(さくらひめ) 詩 ちづる 乙華 菜乃
(十三代目 安倍晴明の娘)
最初に公演を観た時から配役が気になっていた新人公演。
ようやく東京公演で観ることが出来ました。
観た感想としては、中心となる105期生の底力というか団結力が見事![]()
殺陣や台詞回しの多さなど新公では難しいからこそ主演を含めて新公の最終学年となる研7メンバーで固めたのかな?と思いました。
同期ということもあってか特に出門と邪空の幼馴染み感は新公の方が出ていますね。それから良い意味で本公演とは違った方向から役を演じる組子が多くて、新人公演を見て更に違った視点で作品を観られるのも楽しかったです。
以下それぞれ感じた事を簡単に。
病葉出門役の稀惺かずとさん。愛称「つんつん」
滑舌良くセリフも聞き取りやすかったです。話すスピードは本役のこっちゃん(礼真琴さん)と比べるとややゆっくり目でしたが、時々掠れる声にも色気のある美丈夫でした。
印象的だったのは無理に本役を模倣するわけではなく新公らしいチャレンジも感じられたことでしょうか。若い荒々しさが垣間見える出門もカッコ良かったです。
ただひとつ気になったのは、殺陣は上手でしたが鬼御門の前でつばきを捕らえた後にやたらと隙だらけで離れるから、これってうたちじゃなくてありちゃんのつばきなら素早く逃げたのだろうなーなんて(笑)
そして今回じっくりと配信を観て感じたのは、つんつんなんだか美弥るりかさんに雰囲気が似ている?
意外と和物が似合う男役なんだという発見が私の中でありました。
闇のつばき役の詩ちづるさん。愛称「うたち」
正直な感想としてはやはり本役のありちゃん(暁千星さん)のような「本来は男役なのに娘役を演じる」ことでのギャップがない分、覚醒した阿修羅の凄みが少ないかなと
男役を配役しなかったのは主役であるつんつんが目立つように配慮されたのか、それとも新公内の男役が演じるには役が大きく更に技量が必要だったからなのか。ただ迫力を出し過ぎても“龍の宮物語”のようになってしまうし娘役が演じるのも同じくらい難しい役ですよね。
それからどうしてもありちゃんのイメージが強くて(笑)
右肩を出すシーンで思わず「小ちゃい、可愛い」って言っちゃいました![]()
冒頭のシーンはチャイナドレスに似た衣装を着ているのでありちゃんと違っていましたが、阿修羅の衣装は同じですね。
銀橋ソロのラストで高く歌い上げるのがうたち仕様?ずっと出門への好意が滲み出たつばきでした。
安倍邪空役の大希颯さん。愛称「あいみちゃん」
歌が上手ですが、やっぱりお芝居も上手です。
あいみちゃんが演じた邪空は幼馴染なんだけど本人の中ではずっと自分のそばに居てくれる身内のような存在と認識していたんだろうな。
鬼御門を出て行った時と最期の呼びかけが同じように「出門ぉー↑」と少し高く伸ばした呼び方だったのが出門のことをずっと頼りになる兄のように慕っていたように感じて切ない。
表情や声色に「信じていたのに」が溢れていたし、銀橋の迫力あるソロは「許せない」という怒りと「裏切ってほしくなかった」という悲しさが同時にあるような気がしました。
鬼になった時のお顔や首のペイントは本役の極美慎くんと模様が違って、太い線がたくさん。まるで掻きむしったような痕がより邪空の苦しさを表しているよう
極美くんの邪空は愛憎というかどこか恋に近い執着が感じられますが、あいみちゃんの邪空はただ「出て行かれた事で自分も家を失った気分」になって自暴自棄に見えるというか。これは共に串刺し希望するわけだわ・・・と重過ぎる邪空の想いに納得でした。
主な配役以外にも今回の星組新人公演も気になる組子がたくさん!
まず鬼集団を率いる美惨役の鳳花るりなちゃんめっちゃ迫力あって怖いやん![]()
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と早速好きになりました(笑)本役の小桜ほのかちゃんの静かに沸々と湧き上がる恐怖と違い、鳳花るりなちゃんの美惨はいかにも圧からの圧!!
と目力でねじ伏せるタイプです。何も言われなくてもあぁこの人がリーダーなのだと伝わってしまう。
あがら役の瞳きらり(愛称おめめ)ちゃんもこんな怖い役をこなすのね、と新しい発見でした。生き返る時の体の動きが不気味!!
うんがら役の詩花すずちゃんもとっても上手でこの三人衆の中では影のナンバー2だろうなという強かさと隙のなさ![]()
笑死役の美玲ひな(愛称れーれ)ちゃんも可愛さからの冷たい表情が良かったです。
少女役の藍羽ひより(愛称あいあい)ちゃんも普段と違う幼い演技が自然でした。身長が高い方ですが祈るポーズの時に少し膝を折って小さな子供のようにギュッと背中を丸めた姿が印象に残っています。
鬼の面々は配信だとさすがに判別がつきにくかったのですが、つばきの夢のシーンで狭い位置で華麗な回転技を決める鬼がいて思わずそちらを見ると本公演で少女を演じる茉莉那ふみ(愛称おふみ)ちゃんでした。
普段はあんな可愛い少女を演じているのに、新公ではそれは楽しそうにつばきを弄んで・・・鬼がヨォ
な姿を惜しげもなく見せてくれますね(笑)
鬼チームはラストの殺陣シーンで「うぎゃあーー!!」みたいな高い声がやたらマイクに乗るなって思ったら新公は娘役の鬼が多いんですね?時代劇の如く斬られる度に全員が癖のある叫び声を上げるからそれも元気な星組らしくて笑っちゃいました![]()
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さくら姫役の乙華菜乃ちゃんは本役のうたちと全く違う役作りでかなり攻めた現代っぽいオタク要素があります(笑)
ハキハキ喋るからセリフが聞き取りやすくてどんどん畳み掛けるような暴走ぶりが可愛くて、最後に捌ける時は拍手も起きていましたね。
菜乃ちゃんに合わせてか、こちらもキャラ変の賀茂一族は本公演のようにどちらも高い声ではなくて、賀茂白丞が高い声、賀茂南雀が低い声でハモりながら喋るのが可愛いし、周りの巫女達もそれに合わせて高い声と低い声で掛け声を入れるのが面白かったです。賀茂白丞役は朝稀さいら(愛称ぴな)さん、賀茂南雀役は桃李拍(愛称ももり)さん。
安倍毘沙門役の樹澄せいや(愛称キスミー)さんはイケメン過ぎて最初「誰っ!?」と釘付けに。役によって雰囲気が変わって良いですね![]()
“記憶”の井坂さんのスーツ姿の眼鏡男子も似合っていたけれど、鬼御門も素敵でした。こちらの役の方が伸び伸びと演じていたような。
三界衆は戦隊モノのような爽やかさと同時に本役以上に青臭い驕りもたっぷり残した隙だらけな雰囲気が(笑)もう全員ドヤ顔が過ぎて「我ら強いんで
」という厨二病的な匂いがぷんぷん。
個人では特に安倍鳴王役の世奈未蘭(愛称ありー)さんの殺陣の動きが綺麗でつい注目してしまう・・・という瞬間が多かったです。
今回の新公は主な配役は長の期の105期で固めて106期と続いていますが、鬼チームの面々や渡巫女の谷地役の碧羽陽(愛称ハル)ちゃんといい星組の107期ってとても芸達者なメンバーが多いなといつも感じます。彼女達が残るこれからの新人公演も楽しみですね。
他にも気になった方はいたのですが、これ以上書くとめちゃくちゃ長くなりそうなのでこの辺りで割愛。
終演後のご挨拶は主演であり長の期の組内首席でもあるつんつんが1人で行っていました。
本当に意外なのですが、あんなに饒舌に話すお父様がいらっしゃるのに自身は話すのが苦手そうなつんつん(笑)
公演中の度胸はすごいのにご挨拶が始まると辿々しくなるのは“1789”の頃と変わっていませんね。
この日は多分「卒業公演」という言葉が出なかったっぽいつんつん。
何度も「礼さんの・・・礼さんの・・・
」と言い直す同期をニコニコ笑顔で見守るうたちとあいみちゃんも可愛かったです。結局「礼さんの」って5回くらい言った?そのまま最後まで「卒業公演」という言葉はど忘れしたままでした(笑)
↑ご挨拶は苦手でも![]()
つんつんは上級生になるにつれ男役の色気が出てどんどんカッコ良くなっていきますね![]()
今日は上級生達の着席が遅れたようですが、ちょうどそれが配信に映っていて(笑)思わず画面右側を凝視してこっちゃんを探す私でした![]()
画面上には同じように上手から入場する上級生をガン見するお客さんが映っていて面白かったです。
その様子は帰りも見ることができて、みんな立ち止まって上手を凝視する姿に笑いました。
配信も客席も心は一つ(笑)
仕事終わりに配信を見るとどうしてもバタバタするのですが、映画館や劇場に行かずともこうして家で観られるようになったことだけは唯一コロナ禍を経て良かったことだと思います。
こっちゃんが退団してしまうと必然的に星組も観劇回数は減るかと思いますが
こうして劇場や配信で見守ってきた下級生達が活躍する姿はこれからも観ていきたいです。
