先週までとはガラッと雰囲気も変わって、和物の宝塚公演が始まりました。
今回も取り留めもなくダダっと。ネタバレ有りです。
大江戸スクランブル
『夢介千両みやげ』
原作/山手 樹一郎「夢介千両みやげ」
脚本・演出/石田 昌也
「桃太郎侍」をはじめ数々の名作を生み出した山手樹一郎の代表作の一つ「夢介千両みやげ」。
腕っぷしは強いが喧嘩嫌いでお人好し、お節介な心優しき青年・夢介の活躍を描く傑作小説を、痛快娯楽時代劇として宝塚歌劇で舞台化致します。
小田原・庄屋の息子・夢介は、父親から“通人”となるため千両を使っての道楽修行を言い渡され江戸へ向かう。道中、“オランダお銀”と呼ばれる女スリに懐を狙われる夢介だったが、夢介の朴訥で底抜けな優しさに触れたお銀は一目惚れ、押しかけ女房となり二人は江戸で奇妙な同棲生活を始める。
夢介に相応しい善い女房になろうと努力するも元来気性の激しさを抑えきれないお銀。遊び人飛脚屋の若旦那・伊勢屋総太郎ら個性豊かな江戸の人々が巻き起こす騒動を、夢介は“金と優しさ”で解決して行く。
善意の塊のような夢介との出会いが人々にもたらすものとは、そして夢介の道楽修行の結末は?
(公式より)
今回は2階席後方でしたが、特に問題もなく観やすい席でした。
始まってすぐにトップの咲ちゃん(彩風咲奈さん)が舞台中央で三度笠を被って登場♪という感じでぱっと華やかな和物らしいプロローグ。
一人一人登場しては軽い紹介ソングみたいになっているので、その説明で大体の事が分かります(笑)
夢介の紹介ソングは「日本一のお人好し♪」という合いの手が頭に残って、対するあーさ(朝美絢さん)は「なんせこの顔この器量。モテてモテてしょうがない♪」を自らドヤドヤと歌うという
冒頭の説明が長めなのは良いとして、その後トップ娘役の希和ちゃん(朝月希和さん)演じるお銀が夢介に恋するくだりはめっちゃ雑なのでそこからのコメディー感が凄かったです。
突然ミラーボールみたいに照明が散ってきゅぴーん♪という効果音まであって漫画みたいな恋の落ち方。ついでにお銀の心の声まで聞こえるので一瞬演出家は斎藤吉正先生だったか?と思ったくらいのベタな演出でした。
「惚れちゃったのさ~♪」
と銀橋を渡って歌ってその後お銀が夢介の為に改心しようとするのは良いけど・・・このお銀をどうして夢介が好きになったのかは謎でした。
夢介が中盤に「おらがいなかったら姐さんはまた悪いことをしてしまうべ」みたいな事を言っていた気がするけど、そこも惚れたんじゃなくてお人好し故の同情心から?と微妙な気持ちになりますね
あと暗転が多くて場面の一つ一つがぶつ切り展開なので盆が何回も何回も回っては話が進むので私は少し目が回りました。これは2回目以降にもっと楽しめる演目な気がします
2番手のあーさ演じる総太郎はとりあえず女ったらしのクズ男(笑)でもその女ったらしぶりで笑いを取れるオイシイ場面もいくつかありました。特に笑いが起こったシーンは同期ならではの息のピッタリさ??
おっとり話す田舎者の夢介と、チャキチャキ都会っこの総太郎の話の掛け合いもお互いの違いがよく出ていて楽しいです。
新しく組替えして来たそら(和希そらさん)は三太という17歳の青年役でした。スリで生計を立てている悪なのですが、親代わりとなり幼い弟妹達の面倒を見ているのでこちらはそこまで悪い男ではなく、むしろ「着物が小さくなったから」とお銀から強請ったお金で3兄弟色違いオソロの着物で登場するのとかまだ子供っぽさが残ってて憎めない三太。
それからそらが時々入れる突っ込みも面白いけど、弟妹達もめっちゃ笑いを取るセリフが多くて、ブーケちゃん(花束ゆめさん)とりなくる(莉奈くるみさん)の癖が強いです
「頭の先から足の先まで惚れちゃったのさ♪」
と最後に大団円となるまでワチャワチャとした展開が続きますが、咲ちゃん演じる夢介ののーんびりした喋り方とか訛りがほのぼのとしていて本人に合ってて可愛かったです。
のーんびりほのぼしたままボケるから面白い、ずるいただシジミの説明するだけで笑いが起きる(笑)
夢介は百姓なのに刀を差しているという事はそれが認められるくらいご実家が良い位のお百姓様なのでしょう。だから千両も渡されて道楽修行の身なわけですが・・・一般庶民からしてみればそれはあくまでお金を持っているからこその行動と言葉だよな~と思う事しばしばではありました
金持ち喧嘩せず、ですね(笑)
1幕で他に印象に残ったのはおかっぴき?の走助。なんと昨年のあーさバウで印象に残ったかせきょー(華世京さん)再びでした。
やっぱりお芝居も上手・・・
あがちん(縣千さん)は実は「遠山の金さん」だったのですが、後半にどう見ても昔テレビで見ていた遠山桜の金さんの有名すぎるあの「一同、面を上げぇぇい!」なシーンが始まったから堪えきれずに笑っちゃいました。
ここはやっぱり笑いを取るシーンのようでウケも上々ですね。これからもっとあがちんには金さんになりきってもらいたいです。
夢介のじいや役は専科のゆーちゃんさん(汝鳥伶さん)
もう動きが可愛くってツボだったんですが、1番笑ったのはお銀と言い合う「あんたが惚れたのは坊ちゃんの金だろ。でなければあんなぼーっとした牛みたいな坊ちゃんを好きになるわけがねぇだ!」という小競り合いでした(笑)
「あたしゃその牛みたいにぼーっとした所に惚れたんだよ!」と返すお銀も面白かったです。
2幕
ショー・スプレンディッド
『Sensational!』
作・演出/中村 一徳
雪組生が歌とダンスを通して、時には情熱的に人々の心を熱く燃やし、時にはクールに人々の心に迫るショー『Sensational!』。
彩風咲奈を中心とした雪組のエネルギーを集結させ、更なる高みを目指していく。「命」「愛」「希望」をテーマに、人々の関心を惹く“センセーショナル”な風を巻き起こすダンシング・ショーをお届け致します。
(公式より)
プロローグの映像は前作のシティーハンターを彷彿とさせる?東京の夜景を上から見たような感じでとっても不思議でした。
メイン曲はシンプルでサビが覚えやすいです
「I am Sensational♪」とスターが歌い継ぎながら銀橋を渡るシーンはそらの機敏過ぎるダッシュに驚きましたが、雪組生として早くも馴染んでいるそらの姿にも驚きました(笑)
プロローグのお衣装は赤が混じった紫色が咲ちゃん、似ているようでショッキングピンクのような色味が希和ちゃん、あーさは赤色、あやなは緑、そらとすわっち(諏訪さきさん)が同じ青色。今回のショーの衣装はカッコ良いものが多かったです。
前回の雪組ショー「Fire fever!」も銀橋を沢山の組子が渡って行き、お祭りのようにワイワイ盛り上がったショーだったけど今回の方がもっと大勢が銀橋を渡っていませんか?
上級生だけではなくて下級生達も何度も何度も銀橋を渡って行くのでショーでは拍手しっぱなしでした。宝塚のショーでは銀橋を渡る=拍手するという図式のイメージ
銀橋で印象に残ったのははばまい(音彩唯さん)とかせきょーともう1人は誰か分からなかったのですが、3人で歌いながら銀橋を渡っていたシーン。ちょっとずつソロを歌いながらみんなニコニコ堂々としていて雪組の下級生すごい・・・と、トルコ行進曲っぽい音色も印象的でした。
かせきょーは燕尾でも後方ながらセンターにいてお芝居同様目立つ位置にいますね。これからもどんどん抜擢されますよ、という雰囲気がバリバリのスーパー下級生。でも本当に歌も上手でダンスも綺麗だから納得。
プロローグの後は咲ちゃんソロ→幕が上がりあがちんの順だったのでこちらでもビックリ。スキャットの後は歌って踊って・・・と大活躍のあがちんでしたが、残念ながらプロローグの曲以外はあまり耳に残るものが無く何を歌っていたのかは覚えていません。
そうそう、オケピの中から出てきて歌うのがすわっち(諏訪さきさん)で銀橋の上手と下手から組長、副組長、と出てきて歌っていたシーンは謎の演出でしたが妙に印象に残りました。
あーさが上手袖からせり上がって来たり、そらもソロで歌って踊ってと一人一人が目立つシーンは多かったです。あーさは上手からせり上がってくるシーンの軍服がよく似合っていました
途中あーさとそらが2人で踊るところもあったのですが、その時の2人がめちゃくちゃカッコ良かったですそらと並ぶとあーさの方が大きいのね。
そらは後半に咲ちゃんと2人で踊るところもあったと記憶していますが、小柄ながらあの咲ちゃんと並んでもスタイルで見劣りしないのは凄い!そしてその時に咲ちゃんの後ろで踊っていた手の振り付けが流れるような動きで見惚れました。
サテンのような衣装がとても似合っていたのと、少しだけ長めの金髪をカッチリ固めていなくてサラサラとさせていたからそこも振り付けの度に揺れてカッコ良かったポイントの一つですねこれは雪組でも新たなファンをゲットしそうな予感です。
確かこの咲そらのシーンでは下手のセットであいみさん(愛すみれさん)が歌っていましたが、そういえばかなり低いキーが歌いにくく声の調子も悪そうだったなと今ふと思い出しました
そして今回で退団するあやな(綾凰華さん)
演出家の先生がいつも退団者の見せ場を作って下さる人なのであるとは思っていましたが、しっかりとソロがあったので大きな拍手に包まれて歌うあやなを見られて嬉しかったです。歌詞は「星」とか「雪」と入っていて、そこでも愛情を感じました。
・・・いつも涼し気なあやなにはなんだかメラメラ熱めの歌詞に感じましたが(笑)そこは元星男ですもんね
燕尾でも最後に銀橋に咲ちゃんとあやなだけが残って咲ちゃんが歌いあやなが踊るという演出もあって泣けます。
デュエットダンスは私が一番好きな登場方法である舞台中央からせり上がってきて、スポットライトが当たるとしなやかに動き出す娘役・・・という流れに喜びました
希和ちゃんショーでは金髪ボブがとても似合っていましたが、デュエットダンスの纏めた髪型もユラユラ揺れる頭飾りも可愛かったです。シャンパンゴールドの衣装もトップコンビお似合いでした。
最後に銀橋でポーズを決めてから音楽と共にお辞儀するのは花組のファッシネイションと同じですね。
エトワールは有栖姫華さん。
何度かエトワールされていますが、初日でも伸び伸びと綺麗な歌声でした
その後はすわっちがセンターで娘役ちゃん二人と階段下りしたり(ひまりちゃん、夢白さん)、あやながあがちんと二人で下りた後はそらがフワフワの肩羽根をつけて階段を下りていたような。
初日挨拶はのんびりフワフワと「まだ1幕の夢介さんいます?」状態の訛りが抜けない咲ちゃんの可愛い挨拶と、定番となった「どっせい」。
その「どっせい」では組替え後初の舞台であんまり雪組ポーズの勝手が分からず横にいるあやなや咲ちゃんの手元を覗き込みながら手の位置を確認するそら・・・というなんとも癒される初日のカーテンコールでした(笑)
そらは咲ちゃんに「もう雪組に馴染んでる」と言われてほっぺたに手をやって笑いを取ったりと本当に馴染んでますね
最後は組長のにわにわの提案で
「あっぱれ雪組!」
「どっSensational!!」
と両手をバンザイしたポーズを客席も一緒に行い楽しい初日の幕は下りました。
そういえばここまで色んな振りを言われるがままやっていましたが、咲ちゃんが最後の挨拶でおっしゃった1幕のお芝居で夢介の「お手を拝借」の後何の違和感もなく普通に三本締めに参加した私達観客に「初日にも関わらず流石です」と言うコメントが面白かったです。
今日は初日という事でさっそく公演メニューを食べました。
↑公演特別メニューセット 1,300円
↑スターバスケット 彩風Ver 1,000円
咲ちゃんが愛媛県出身ということでみかんが登場するのは前回と同じですね。
公演ランチは私が、バスケットは妹が食べました。
公演ランチの煮込みはとっても美味しかったですただソースはちょっとニンニクがきつすぎる?とも思ったので、出来れば公演後に食べたいかも(笑)
みかんのババロアはミルク寒天みたいで好きな味です
バスケットは一口もらったらじゃこカツが生姜仕立てなのもあって、魚というよりも豚の生姜焼きのようでこちらも美味しい♪愛媛にはこんな料理があるのか・・・とトップスターのゆかりある食材が知れるのは嬉しいですね。
しかーし!この日はすっかり忘れて一番にランチを食べに行ったのですが、後に大失敗と気づきました
↑まだあると油断していたせいで、食べ終わって買いに行く頃には雪組公演のお菓子と新発売の宝塚限定のハッピーターンが売り切れとなっていました。
先に行ったらよかった・・・
↑というわけで今回の購入品は少し寂しい結果に(笑)
右上のコロンバンも今回から一新された宝塚苺の焼きショコラ。普段チョコレートは食べませんが、
(画像は公式より)
↑このビジュアルがカプリコっぽくて美味しそうだったのでつい
(画像は公式より)
↑こちらは職場に持って行こうと思います。
↑雪組のデザインチケット。
このデザインチケットシリーズが楽しみでいつも劇場入り口で発券する癖が付きました(笑)
次に観劇するのはかなり先となってしまいますが、お芝居がグッと深まった雪組を観られるのを楽しみにしています
・・・おまけ(笑)
↑1幕の雪組招き猫ちゃん・・・時々きゅっ!と目を瞑って瞬きするのがめっちゃ可愛いので皆様ぜひガン見してください(笑)