久しぶりに宝塚以外の舞台を観に行きました。
梅田芸術劇場も久しぶりでかなりテンション高く向かったのですが
・・・今回はめっちゃ辛口です
せっかく記事を書くのに悪いことばかり書くのもなぁ、とアップするか悩んだのですが。観劇記録としてそのまま載せることにしました。
嫌な方はスルー願います
“INTO THE WOODS”
ブロードウェイ・ミュージカルのレジェンド、スティーヴン・ソンドハイムが1986年に発表し、最高栄誉のトニー賞で、オリジナル楽曲賞を含む3部門を制覇した傑作。
今回は、まったくの新翻訳、まったくの新演出で贈る。
村の小さなパン屋の夫婦には、子どもが授からない。なぜなら、魔女の呪いがかけられていたから。「呪いを解きたければ、森へ行ってとってきな。一、ミルキーな白い牛、二、血のように赤いずきん、三、黄色いコーンの髪、四、きらめく金の靴。三日後の真夜中の、鐘が鳴るまでに」。
森を目指したパン屋夫婦が出会うのは、赤ずきん、シンデレラ、ジャックと豆の木、ラプンツェルほか、それぞれに充たされない人生の宿題を抱えた、おとぎ話のおなじみの登場人物たち。
彼らの前には、魔女の呪い、巨人族の怒りが立ちはだかるが、それだけではない。本当の敵は、誰もが自分だけの幸福を願うがゆえの、ジェラシー、妨害、うそ、策略のわな…。
チャーミング、ファンタスティック。だけどちょっぴりシニカルでダークなミュージカルをあなたに。
(公式サイトより)
出演者
「赤ずきん」
赤ずきん 羽野晶紀
「シンデレラ」
シンデレラ 古川琴音
継母 毬谷友子
継姉フロリンダ 湖月わたる
継姉ルシンダ 朝海ひかる
王子 廣瀬友祐
執事 花王おさむ
「ジャックと豆の木」
ジャック 福士誠治
母親 あめくみちこ
「塔の上のラプンツェル」
ラプンツェル 鈴木玲奈
王子 渡辺大輔
ナレーター/謎の男 福井貴一
「パン屋」
夫 渡辺大知
妻 瀧内公美
魔女 望海風斗
巨人 *声の出演 麻実れい
ストーリーとしては誰が主人公でもなく、誰もが主役になる瞬間がありその全てが舞台上で同時進行していく物語でした。なのでひっきりなしにあちこちで繋がっていくストーリーに前半は大忙し。
今回の作品は望海風斗さんが退団後に最初に出演される舞台という事で興味を持ったのですが・・・
いや、本当に・・・すっごくつまらない作品でした
まず歌える人が全然歌わない(笑)
女性陣がほぼ歌えないなんて
1幕はまだ良いとして2幕なんて特に中心になるメンバーが半分以上歌えないので本当に聞いていてしんどかったです。私は元々踊りの方が好きなので基本的に歌はそこまでこだわらない(というか音楽に詳しくないので上手いとか下手があんまり分かりません)
のですが、そんな私がここまで堪えるなんて歌重視の観劇ファンからすると相当苦痛だろうな・・・と思いました。歌える人はかなり歌えるけど歌えない人はトコトン歌えない。ここまで個々の歌唱力に格差があるキャスティングもなかなかないのでは。
しかもそんなキャストに限ってソロが多くて持ち歌1曲が長いという・・・。特に何人かはもはや「歌が苦手」とか言うレベルではなかった。
なのに歌はアップテンポで転調も多くて歌詞も詰め込んだ難曲ばかりなので歌う人によっては聞き取れないことが何回かありました。
ここまで壊滅的に歌えないメンバーを揃えるならいっそストプレにすればよかったのにと後半の裏声だらけのハモリには苛立ちすら覚えたくらいです。
テレビで主に活躍している人が多かったのでしょうが、さすがにお金を取るのだからもう少し舞台向けのセリフ回しとか歌とか頑張って欲しかったですね。前楽であれとか本当にびっくりしました。
そして赤ずきんが結構年上の方だったので赤ずきんだけ年齢設定を変えたのかと思ったらまさかの子供設定??無理があり過ぎます
声が特徴的なのでこの方もしんどかったなぁ
パン屋夫婦もシンデレラもジャック母も歌頑張れ・・・と何度思ったか。ここまで酷いと「その分演技が良い」ではカバーし切れないですよ~
1幕はめでたしめでたし♪の物語によくある結末。でも2幕はその物語の「後」であるあれこれを詰め合わせていたのですが、そんな後半の鬱設定が長いのでここもうーん・・・となりました。
王子役二人のナルナルした感じとか、 しかも兄弟(笑)
雰囲気バリバリなストーリーテラーの福井貴一さんとか、めっちゃ美声轟かせながら後半やさぐれるラプンツェルとか、面白そうなところもあったので色々と作品としてもったいないと感じます。演出家の方は今作がミュージカル作品初との事ですが、もう少しミュージカル作品に寄せてください。としか言いようがありません。
外部は特にチケット代も高いのでやはり期待度も高くなります。
正直だいもん(望海風斗さん)がちょこちょこ出て来ては何か言い残したりアクションを起こすのが無かったら私は舞台から気持ちが逸れちゃっていたことでしょう
だいもんは常にダンサー?さんを何人か従えてアクロバティックな体勢になったり持ち上げられたりしながら歌うのでやっぱりすごかったですね
なんなら1幕はセリフの時ほぼ地上から足浮いていました?途中なんて逆立ち状態のまま普通に歌っているから逆に笑っちゃいました。
そしてタカラヅカ退団後のあるある?なのか、『宝塚の男役をちょっと匂わせるシーン』みたいなのもあって、魔女の姿なのにカッコ良いポーズとセリフ回しに拍手喝采でした
あと個人的には「あ・そっれー♪ずきん♪パン屋♪」みたいな綱引きの音頭とアンパンマンみたいに去る動きが面白かったです。
ジャックはお芝居も歌も上手な方だと思って後から調べたら福士誠治さんだったんですね。若かりし頃に映画の舞台あいさつで拝見したことがありました。「ハンカチ王子に似てるって言われます」って言ってたのが懐かしい(笑)
セリフを普通に話すときに突然イケボになるのでおバカなジャックとのギャップが印象的でした。
そして大ちゃん(渡辺大輔さん)!こちらもかなり久々に拝見しました。
彼のお辞儀がとっても綺麗で大好きなのですが、マント捌きもこんなに綺麗だったとは。ちょっと残念な王子である次男坊でしたが、同じく残念な長男王子のヒロ(廣瀬友祐さん)との歌対決?が面白かったです。
そしてシンデレラの湖月わたるさんと朝海ひかるさんの継姉コンビの濃さも流石(笑)ガラスの靴を履くシーンは明らかにおみ足の大きなお姉さま方に笑えました。
(画像は公式より)
梅芸公演で時々見かけるイラストの人物相関図。公演後に拝見したのですがどのキャラクターも似ていて可愛いです。ここでも湖月さん大きい(笑)
コロナ禍のせいでどの作品どの舞台も中止や延期の発表が続いている中で最後まで完走出来た事は素晴らしかったですね。
もっと歌えるメンバーを集めてとことん本格的なミュージカルにするか、歌は捨てて本気モードのストプレにするかでもっと楽しめた気がする作品でした。